広報誌「かけはし」
 
■2005年3月 No.402
投稿 言わしてんか!聞いてんか!
   
●保険料率引き下げについて
   私どもの健康保険組合は、大阪に拠点のある会社によって設立された総合の組合です。
 しかしながら、時代の流れか東京に本社を移す会社、あるいは東京支店を有する会社が多くあり、支店のみ東京の総合健保に加入している会社も多くあります。
 先般某事業所から、大阪本社も含め東京の健保へ移りたい旨申し出がありました。東京の該当健保組合は16年度に保険料率を大幅に引き下げたとのこと。なお、調査したところ東京においては70‰を下回る健保組合が多数あり、健保組合同士の熾烈な事業所獲得競争が始まっており、東京の該当健保も料率引き下げをせざるを得ない状況でした。
 この波は大阪へも波及するものとわが組合も17年度に料率引き下げを行うことを決め事業所の東京流出を防ぐこととしました。
 しかしながら、総報酬制になり15年度にやっと9年来の赤字から脱却したばかり。
 被保険者数も毎年1、000人ずつ減少しており、今回の料率引き下げで再度赤字転落は必至です。
 東高西低の経済情勢のなか、被保険者減少に歯止めがかかるか不安な状況です。
(第4地区 S・Y)
   
●「医療費定額払い」の議論はどこへ 
   毎年、予算編成時期になると高齢者医療費の負担金である拠出金の不合理さを痛感し、計算結果に一喜一憂、早期の医療保険制度の抜本的な改革論議の成り行きに淡い期待をする向きも多いのではと思っている。
 しかし、さらに抜本的に改革すべきは、医療費総額の抑制ではなかろうか。年間国民医療費30兆円超えが定着して久しい。現行の「出来高払い制」による医療費制度は複雑な上に薬漬け、検査漬け治療等、必要以上の医療費がかかることも多いと言われている。厚労省はこれを見直し、診療報酬体系の標準化を進め、病気ごとの標準価格を基本とした「定額払い制」を導入し、医療費総額を抑制しようとしている。平成15年度より一部の大手病院で試行導入されていると聞いているが、その後はどうなっているのか、あまり情報がないように思う。この制度に対しては医師・病院の過小診療(手抜き治療)を心配する向きもあり、一方では医師会の大反対にあって一般には普及しないのではとの意見もあるようである。標準価格のもとで、医療サービスの質、技術で病院が競争すべきであり、いつまでも患者が弱者であっていいはずはない。病院も民間企業というなら、患者は消費者であり顧客である。もっと強い立場で、少なくとも同等の立場で病院の選択権を持つ時代になるべきであろう。もちろん、「定額払い制」が従来の問題点をすべて解決してくれると考えるものではないが、保険診療と自由診療を併用して患者の費用負担を軽減するといわれている「混合診療」等とともにもっと議論されてもいいテーマの一つではと思う。
(第5地区 K・K)
 
●不安がいっぱい 
   月日が経つのは早いもので、昭和44年4月の健保組合設立の年に入社してから既に36年が経ちました。健保組合は設立後、会社の業績に伴い順調に推移し、また運営方針も長期的な視野に立ち安定経営、健全経営を目指し、保険料率も昭和62年以降69‰を堅持し、準備金・積立金も平成9年には被保険者1人当たり140万円超になっていました。
 平成10年から拠出金が急増しましたが、保険料率を変更せずに積立金を繰り入れて赤字決算で対応を始めました。ところが突如平成13年1月から「指定健康保険組合制度」が施行され10年度から12年度の3年間が経常赤字で、かつ被保険者数が700人を割っていた(現在530人)との理由で13年度初代の「指定組合」に指定されました。
 この制度の「目的等」には「母体企業の事業の衰退等に伴い財政窮迫に陥り、保険者としての機能を十全に発揮することが困難な指定健康保険組合」と定義づけられていますが、当組合は全く該当しませんし、保険者機能を発揮するため、保健事業の推進や付加給付に注力しています。また多くの取引先からは「指定組合」の記事をみて会社が財政窮迫に陥っているのか問い合わせも殺到しました。大変迷惑な話です。
 今後も3年に一度は経常黒字にする必要があり、一方多すぎる財産は減らしたいし、すると保険料率は毎年乱高下させねばならないし、組合の安定した運営ができません。
 医療保険制度の改革では保険者の再編・統合がテーマになっていますが、一体当組合はどうなっていくのでしょう。不安がいっぱいです。
(第6地区 K・O)
 
投稿規定
「言わしてんか!聞いてんか!」
500字以内。手書き、ワープロ自由。見出しも付けてください。原稿を添削する場合があります。
イラスト、写真も歓迎します。
原則として、投稿者の「所属組合名と実名」を掲載。匿名希望(イニシャル)の場合も、原稿には「所属組合名と実名」を明記してください。
原稿は地区会の広報委員へFAXで送ってください。
問い合わせは、健保連事務局・辰巳(06-4795-5522)へ。