広報誌「かけはし」
  
■2005年3月 No.402

日ごろの姿勢を見直そう
腰痛予防・改善のポイント
   
 「日ごろの姿勢を見直そう腰痛予防・改善のポイント」と題し、泣gータル・ベーシック、フィットネスインストラクターの増田直美氏による健康づくり教室が2月8日、薬業年金会館で開催されました。講演後には腰痛改善のためのストレッチ体操も行われました。

●生活が腰痛をつくる

増田直美氏

 日本人の10人に1人は腰痛で悩まされているといわれます。骨の老化や変性、加齢、ぎっくり腰などの外傷、内臓疾患などによるものもありますが、多くは日常生活のなかに原因がある、自己管理のできる腰痛。活動や運動、座位によって痛みが増強し、安静によって軽減します。
 腰痛は筋肉が緊張し、疲労して硬くなることから始まります。血管が圧迫されて血液の循環が悪化、老廃物が蓄積することによって重い、だるい、痛いなどの症状があらわれ、さらに筋肉が緊張するという悪循環を起こします。長時間同じ姿勢を続けたり、重労働、運動不足、冷え性などによって発症します。現代人の生活は腰痛の原因をつくりやすい環境にあるといえます。
 人間は下腿三頭筋、大腿四頭筋、大臀筋、腹筋、脊柱起立筋の5つの抗重力筋の働きで直立しています。このなかで腰痛発症に深く関わっているのが大臀筋、腹筋、脊柱起立筋。直立時よりも前傾時や座位のときの方が第3・第4腰椎にかかる負担が大きくなります。

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●腰痛改善のために
   腰痛改善のためにまずは自分自身のからだの癖を見つけましょう。左右どちらの歯で噛むか、どちらの肩でカバンを提げるか、足を組むときはどちらの足を上にするか、靴底は内外どちらが減りやすいかなどで、左右のバランスがわかります。目を閉じてその場足踏みをすると、重心のかかり方がチェックできます。
 正しい姿勢は背骨が正しい生理的湾曲を保っています。耳たぶ、肩峰、胸郭の中心、大転子、膝の側面中央、くるぶし前方の6点が一直線になるように立ちます。あごを引き、お腹を引っ込めて背筋を伸ばし、お尻を締めて膝を伸ばしましょう。
 また、腰痛改善のために、日常動作に意識を持ってください。重いものは膝を曲げ、からだに密着させて引き上げます。ほかにも、シャワーのときには座位でシャンプーをしたり、立ち仕事のときに15〜20センチぐらいのステップ台を使用するなどの気遣いが腰への負担を軽減します。重要なのは、同じ姿勢を長時間続けないこと。こまめに立ち上がってからだを動かし、血液の循環を促します。
  
●からだを動かそう
   ストレッチなどでからだを動かすと血行が促進されます。楽に呼吸を続けながら、伸ばしている筋肉を意識し、そこに意識を集中します。もちろん、無理せずゆっくりと行ってください。からだがほぐれると気分もスッキリします。筋力維持のためには筋力トレーニングを。歩くことも大切です。それによって抗重力筋を強化し、血液循環を促すことがポイントです。
  
 

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