広報誌「かけはし」
 
■2005年1月 No.400
時評

医療制度改革実現へ
素早い意思決定で、力強いアピールを


 我々全健保組合の本年度の目標は、昨年11月19日の全国大会で採択された4つのスローガンを基本とし、医療制度改革の確実な実現を目指し、総力を結集して諸活動を強く推し進めることである。これを完遂して、本年を実りある年としなければならない。
 さて、昨年の全国大会で決議した我々の主張は、新聞の全国紙や地方紙に「意見広告」として掲載された。しかし、その後の反響と効果の程はどうであったであろうか。全国の健保組合の被保険者、被扶養者ならびに一般の国民にその内容は届き、どれだけ理解されたであろうか。大会の翌日、新聞に掲載されたのは特別シンポジウムでの国会議員のコメントのみであった。このように今回のことに限らず、我々の主張がマスコミに取り上げられることは、非常に少ない。どこにその原因があるのであろうか。
 これまで健保連では、医療保険制度の諸問題に対し、各種委員会やワーキンググループで議論し、常任理事会等を経て意思決定してきた。その議論についても、厚生労働省や日本経団連、連合等の見解などを伺いながら意見調整することが多分にあった。もっと早く健保連独自の意見なり考え方をまとめ、公表すべきではないのか。
 介護保険制度改革を例にとれば、日本経団連は昨年4月の段階で「介護保険制度改革についての意見」を発表している。そして、12月にも日本商工会議所等と経済4団体で「今次介護保険制度改革に関する共同意見」で考え方を明解に表明している。連合でも日本医師会でも同様に、それぞれの考え方を迅速にまとめ、適宜公表してきた。
 このようななか、健保連の高齢者医療制度等ワーキンググループで、委員から「健保連としてどの制度像でいくのか早い段階で決定し、積極的に意見を言うべき」、「健保連としてこれだけは譲れないという点をきちんと取りまとめて欲しい」、「保険者機能の強化など、健保連でしか主張できないようなことを中心に、厚生労働省が耳を傾けるような案づくりが必要である」などの意見が出されたとのこと。正に、この指摘こそが我々が健保連に強く望んできたことである。
 種々の意見に耳を傾け、慎重に議論を重ねることも必要である。しかし、主張すべきことは主張し、譲るべきことは譲り、最終的に我々の納得できる結果を導き出すことが大切である。とくに、激動するこの社会情勢のなかでは、変化に迅速かつ適切に対応し、即決することが肝要である。現在、健保連では建議書に基づき、総会・常任理事会・理事会等の意思決定プロセスに関する諸規程が見直されている。ぜひ、現場の意見を素早くキャッチし、迅速に意思決定のできる組織となってもらいたい。
 本年は医療制度改革実現のための正念場である。健保連の強力な指導のもと、我々健保組合は一致団結して活動し、本年11月の全国大会はその成果を確認し合う大会としてはどうだろうか。
  (K・M)