広報誌「かけはし」
 
■2004年11月 No.398
投稿 言わしてんか!聞いてんか!
   
●健保は元気のかけはし、大いに議論を 
   オリンピック、パラリンピック、大リーグ等々、日本人の活躍に喝采を上げた日々でした。田舎のおじいさん、おばあさんが元気に畑仕事などされている様子を見かけると、健康、元気とは素晴らしいなぁ、とついつい嬉しい気持ちになるのですが、一方、周りを見渡すと、本当に気が重くなる難題が盛りだくさんです。国民のみんなが、それぞれの立場、状況で、いろいろな意見を持っているテーマばかりだと思いますが、みんなの健康を維持していくうえで大きな役割を果たしている医療関係諸制度のあり方も文字どおり焦眉の急のテーマです。
 健康保険組合の仕事に従事するようになってから、ほぼ1年になりますが、健康保険制度についても、それぞれの立場、状況でいろんな見方がある制度だろうと思います。
 ほとんど病院にかからない人、ご病気の扶養家族がおられない方は、なぜ保険料がこんなに高いのかとうんざりしている人もおられるでしょうし、一方、健康保険制度の有り難さを痛感されている方々も多いことだろうなと感じる日々です。
 とくに不幸にも高額な医療を受けておられる方々については、ご家族を含め心身ともにご苦労されているなかで、多額の医療費の負担を軽減してくれる制度の有り難味は当事者の立場になってみないと、なかなか実感できないものかも知れません。
 年金・医療・介護保険制度等、いわゆる社会保障といわれる分野のあり方として、今後どのような姿が望ましいのか、ぜひ「社会保障の在り方に関する懇談会」で、一般の人たちに、公的制度としてカバーする範囲(給付と負担のあり方)、自己責任で対処すべき範囲等、分かりやすい議論を展開して欲しいと思います。
 被用者保険のコスト負担の考え方は、まだ世帯単位という要素が強く、前々から一度議論の対象にしてはどうか、と思っていることの一つに、被扶養者が何人いても独身者と保険料が同じという現在の負担方式が妥当だろうか、という問題があります。
 現在の制度については、長所、短所それぞれあると思いますが、これまであまり議論の対象にされたことがないように思いますので、結論はともかく、みんなで一度考えてみたらいかがでしょうか。
(第4地区 Y・T)
   
●こころの声に耳を傾けよう
   最近メンタルヘルス(心の健康)という言葉をよく耳にします。メンタルヘルスとは、本来は外来語であろうが、何のためらいもなく“メンタルヘルス”と言ってしまうほど日常用語となっています。
 健康保険組合では、“心・身ともに健全な健康づくり”
である保健事業を行っています。しかし、身体の健康づくりは多くの組合で積極的な取り組みが行われていますが、心の健康づくりはいったいどこにいってしまったのだろう。
 私たちは、毎日時間に追われ、仕事に追われ、ストレスに囲まれています。仕事が中心で、仕事中毒・過労の連続で、ついには燃えつきてしまい、意欲をなくし、やる気がなくなる“燃えつき症候群”や上司や部下にはさまれストレスから心身の不調に悩む“サンドイッチ症候群”は職場ストレスの代表です。
 昔から、子供は親父の背中を見て育つとか、後輩は先輩や上司の仕事のやり方を見て育つと言われていますが、現在の職場では、携帯やパソコンのメールでしか会話ができない人が増えており、職場やトイレ・給茶室での無駄話がなくなり、職場の慰安旅行もほとんどなくなっています。このようなコミュニケーション不足のなかで、ひとりで心の病に苦しんでいる人が増え続けています。
 メンタルヘルスのポイントは、本人のセルフケアはもちろんだが、職場のコミュニケーションが最も重要で、同僚や上司の“気付き”が大切です。職場の人が風邪をひいたらその顔つきや言動から“無理せず少し休めよ”と声をかけます。心の風邪(心の不調)の場合でも“元気がなく“身体的な訴えがあり”多くの場合は“能力が低下する”というサインが出ています。そのこころの声を聞き漏らすことなく耳を傾けたいものです。
(第5地区 H・I)
 
●扶養雑感
   最近、妻・子の扶養認定の申請が増えてきた。もともと当組合は扶養率が他組合に比べ若干高めであるが、さらに上がっていく傾向にある。
 妻についていうと、この不景気の時代に共働きの世帯が増えるはずだと思っていたが、どうも逆に動いているようである。
 考えてみるに、企業の人員削減策がまだまだ進行しているように思える。技能の習熟を要しない分野では、中高齢者からより若いパートへ、さらには単価の安い学生アルバイトへと、もっとシビアにシフトされ働く主婦が家庭へ戻されつつあるのではないだろうか。
 子については、就職をしても1〜2年で退職して、また親の扶養に戻ってくるケースが見受けられる。これは企業の施策以前の問題であり、定年まで勤める気がない、イヤになったらすぐ辞めるという最近の若者の風潮といえる。また、それを親がすぐに受け入れるという「親離れ、子離れ」ができない家庭が増えているのではないだろうか。
 かくして、「企業と健保」「健保と国保」のせめぎ合いのなかで、扶養率はさらに上昇し続け、伸び悩む保険料収入を尻目に医療費負担だけがどんどん増加していくことになる。
 「被用者保険の被扶養者」「国民年金の第3号被保険者」。応能負担という考え方も理解はできるが、やはり今の時代は応益負担も視野に入れた改革を、そろそろ考えていく時期ではないだろうか。
 当組合では6期連続で赤字決算となり、資金の不足分は別途積立金をどんどん取り崩して補填しているのが現状である。
 かつては、決算をするたびに出た剰余金を目的もないまま別途に積み立てていき、組合会で「そんなに貯め込んでどないするねん」という笑いながらの意見が飛び交った時期もあった。今は夢のようである。
(第6地区 Y・N)
 
投稿規定
「言わしてんか!聞いてんか!」
500字以内。手書き、ワープロ自由。見出しも付けてください。原稿を添削する場合があります。
イラスト、写真も歓迎します。
原則として、投稿者の「所属組合名と実名」を掲載。匿名希望(イニシャル)の場合も、原稿には「所属組合名と実名」を明記してください。
原稿は地区会の広報委員へFAXで送ってください。
問い合わせは、健保連事務局・辰巳(06-4795-5522)へ。