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第二次小泉改造内閣が9月27日に発足した。小泉首相を含む閣僚の平均年齢は57・61歳で、内閣官房に記録が残っている昭和42年以降、最も若い布陣となった。小泉首相が自らこの内閣を「郵政民営化実現内閣」と豪語するように郵政民営化担当相には打たれ強い竹中平蔵内閣府特命担当大臣を据え、地方税財政の三位一体改革を担当する総務相には引き続き麻生太郎前総務相を起用し、継続性を重視した陣容ともなっている。
一方、厚生労働相は公明党出身の坂口力氏から自民党の尾辻秀久氏に変わり、厚生労働副大臣には西博義氏(厚生担当・衆議院・公明党)および衛藤晟一氏(労働担当・衆議院・自民党)の両氏が起用された。政府与党には年金・医療・介護保険を含めた社会保障制度改革のさらなる進展を期待したい。
しかし、基礎年金の国庫負担率引き上げ等社会保障費の財源問題で、財務省に消費税引き上げと同時に、支出の伸び率抑制を求める声が強く、厚労省との間に対立も出ている。厚労省任せでは改革はできない、首相のリーダーシップで社会保障制度改革に切り込むとの声もあるが、水面下での綱引きが行われるとしても十分に議論をし、国民に説明して納得できるものでなければ堂々巡りのパフォーマンスに終わってしまう危険性をはらんでいる。
医療保険制度体系等に関する基本方針は平成15年3月28日に閣議決定され、平成17年度法案提出、平成20年度実施が目途とされた。拠出金廃止等評価できる面はあるとしても保険者の統合・再編、財源問題等々不明確な部分が何一つ解決されていないまま今日に至っているのが現状である。健保連は基本方針閣議決定以来、医療制度改革の前倒し実施・拠出金負担の廃止と公平な制度の創設・国民が納得できる診療報酬改定の実施・社会保険方式の堅持と患者中心の医療の実現等々訴え続けてきたが、思うところのどれほどが実現できたか…歯噛みしめて臍を噛む思いである。
社会政治面では、日歯連問題・厚労省と社会保険庁の監修料問題・尾辻厚労相の国民年金保険料未納問題・南野法相の国会答弁問題等々続出して貴重な時間が失われていく。自然界においては、年間真夏日記録更新・天変地異による災害多発等々により貴重な人命・資源・財産が失われていく。時間は何も解決してくれない。ただ過ぎゆくのみ。一人ひとりが、一組合一組合が知恵を絞り汗を流し、身近なところから問題提起をして解決にあたり、持続可能な新しい医療保険制度確立に力を合わせようではないか。それについては第二次小泉改造内閣が「郵政民営化実現内閣」に徹して貰っては困る。小泉首相!あなたは以前には厚生大臣でもあったではないか。小泉改革を完成させるためにも「持続可能医療保険制度実現内閣」であって貰わなければ困る。我々は労力は惜しまない。しかしながら、我慢の域はとうに超えている。 |
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(光) |
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