血液をサラサラにする食事
〜高脂血症予防のために〜 |
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「血液をサラサラにする食事」をテーマに健保連大阪中央病院 久保正治副院長による健康セミナーが8月24日、薬業年金会館で開催されました。 |
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久保正治副院長 |
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◆血液さらさら |
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この言葉は、私たちの体のなかを血液が淀みなく流れている健康な状態を表しているといえます。血清が白濁するほど中性脂肪が増えたり、赤血球増加が高じて多血症となってはサラサラと流れません。また、血管の動脈硬化病変によって血管壁が肥厚して血管が狭窄してくる場合もサラサラ流れなくなります。本日はこの動脈硬化の原因のひとつである高脂血症に対する食事療法についてお話しします。
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◆食事療法の基本 |
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現在我々は食べたいものは何でも手に入るすばらしい環境に暮らしており、食事療法を実行するには誘惑に負けずに努力する必要があります。基本は総摂取カロリーの適正化です。肥満の方はもちろんのこと内臓脂肪が蓄積しているいわゆる隠れ肥満の方も減量が必要です。実行しづらいですがうまく行くと効果は絶大です。まず、脂質のとりすぎを避けるようにして、穀類中心の食事で、繊維を多く含む野菜と良質な蛋白をとるようにすると比較的無理なく実行できます。このような組成の食事の代表は和食です。「アルコールを飲んだから、あるいはケーキを食べたからご飯を止めておこう」となりがちですが、これでは栄養素のバランスが崩れて体に必要な栄養素が欠乏しがちになります。コレステロールについては過剰に摂取しなければ結構です。
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◆運動療法と薬剤療法 その他の注意 |
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食事療法と並んで重要なものに運動療法があります。中性脂肪を改善し、血糖を改善して高脂血症にも好影響を与えます。散歩などの軽い運動を勧めます。体調が良くなって、食欲も増し、体重が増えがちですので食事療法を同時に実行するのがポイントです。それでもコレステロール値が250mg/dl以下にならない方は薬剤治療を受けることを勧めます。薬物による副作用がいやだといって内服を中断される方や、ずっと飲みたくないのでやめた方にしばしば遭遇しますが主治医に相談しながら薬を使ってでも改善しておくのが重要です。
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