■2004年9月 No.396
“介護保険法改正に向けて”
―各界が納得できる内容を期待―
介護保険制度は、法律の附則で”施行後5年を目途としてその全般に関して検討が加えられ、その結果に基づき必要な見直し等の措置が講ぜられるべきもの“
とある。介護保険法改正法案は、来年の通常国会への提出が予定されているが、この基本となる「介護保険制度見直しに関する意見」が社会保障審議会・介護保険部会報告書として7月30日発表された。
制度全般に亘って検討され報告されているが、被保険者・受給者の範囲については、介護保険と障害者福祉との統合を含め結論が出なかったようで、積極的な考え方と慎重な考え方に「両論併記」とされている。このことは制度の目的をも変えざるを得ない根幹にかかわる大問題であり、被保険者の年齢引き下げ等は長期的視野に立った検討が必要なことはいうまでもない。
平成12年度当初の保険料徴収については、料率の上限制約のため繰延徴収の特別措置が設けられ、保険料納付の整理が平成13・14年度にされたところである。
したがって、同一保険者の第2号被保険者間の負担額にも相当の矛盾があったのではなかろうか。
被保険者の範囲を拡大することは、保険料負担が緩和されるし、激増する給付費に対応する財源対策としては確かである。
しかし、年齢引き下げは若人や事業主に計り知れない負担増となる。40歳未満の若い世代が、その保険料を負担する場合は、加齢に伴って生ずる心身の変化に起因する以外の疾病等により要介護状態となった者の給付に充てることにしてはどうだろうか。つまり、介護保険の若い世代版である。障害者支援費制度と若い世代の介護保険のみを統合して同世代間の介護を賄うことも考えられる。
一方では、サービス事業者に勧められて「移動が楽」と車いす、「寝起きしやすい」と介護ベッドを使い始めて、歩く努力をしないため要介護度が上がるなど、状態の改善につながっていないとの指摘もある。
「サービスは使わないと損」借りたり買ったりする利用者、貸したり売ったりする事業者、こんな事業が身近なところでも行われている。
とにかくいま問題になっていることのほとんどを解決してからの改正でも遅すぎはしない。でなければ創設以降の5年間が無駄になるように思えてならない。
いずれにしても、介護保険制度の見直しについては「社会保障審議会・介護保険部会の意見・報告」に基づき行われることになるが、法案とりまとめの段階においても十分議論を行い、各界が納得できる内容となることを期待したいものである。
(隆)