加藤会長あいさつ(要旨)
歯科診療報酬をめぐる日本歯科医師連盟の贈収賄事件は、健保連元副会長が逮捕され解任されるという厳しい事態となり、誠に遺憾な事件であると言わざるを得ません。このことを真摯に重く受け止め、大阪連合会としては、本部に対して「厳格かつ透明性のある運営を求めるとともに、健保連の主張すべき点がより明確に示されるよう議論を深めていく」そして、「会員組合の意向を反映した建設的な意見をより活発に進言し、本部の揺るぎない体制確立にむけ積極的に支えていく」この2点について理事会において確認し、総力を挙げて信頼回復に努め健保連全体が一枚岩となった組織運営が今こそ必要であると思っています。
ご承知のとおり健保連の平成15年度決算見込みについては、1、388億円の黒字となり、赤字組合は4割強の700組合(43%)に減少しており、健保組合の財政は前年に比べると総報酬制や、3割負担などで赤字額は改善されており全体として小康状態を保っているものの、組合数は対前年度で52組合の減少と解散組合の増大が顕著であり、被保険者数も26万人(マイナス1・7%)減少しております。保険料収入に占める拠出金の割合は、依然として40%を超える厳しい状況にあり、不安定要素は依然として根強いものがあると思います。
私ども大阪連合会の健保組合の状況をみてみますと、決算見込みは186億円の黒字となり、赤字組合も前年と比べると102組合に(50・5%)減少しており、改善はみられますが、対前年比で組合数は8組合、被保険者数は7万5千人(マイナス3・8%)の減少となっており、全国平均を上回る厳しい状況にあります。保険料収入に占める拠出金の割合も40%を超え、急速な高齢化の進展に伴うさらなる拠出金の増加といった状況のなかで、我々の健保組合を存続していくには、医療制度の早期改革しか他に道はありません。
この改革については、社会保障審議会の医療保険部会において、「医療制度改革の基本方針」を踏まえ昨年より議論されてきておりますが、秋口からはいよいよ具体化に向けた検討が行われる予定となっております。
現行の老人保健制度は、高齢化がここまで進むことを予想した制度ではないため、若い世代に負担が片寄る仕組みとなっており、現在すでに少子高齢化に対応できない制度となっています。負担能力に関係なく賦課される拠出金制度を廃止し、新たな高齢者医療制度を一刻も早くつくることが必要です。具体的には高齢者と現役世代の負担のあり方、公費負担のあり方、また、保険者機能のあり方等、少子高齢社会においても医療保険制度の持続性や安定性が確保され、1日も早い制度改革の実現のために、政府の「基本方針」の持つ問題点を解決していく必要があると思います。
大阪連合会としても、本部と協調して対応をしているところでありますが、今後も関係各方面に働きかけていく必要があると考えておりますので、引き続き皆様方のご支援、ご協力を賜りますようお願いいたします。
先の参議院選挙につきましては、すでにご承知のとおり自民党が議席数を減らし、民主党が躍進するという結果となり、二大政党化の流れが一段と鮮明になったと思います。今回の選挙において、皆様方にご協力を賜りましたこと、この場をおかりしてお礼を申し上げます。 |