広報誌「かけはし」
 
■2004年8月 No.395
健保問答 第 286回
   
     
Q
 特別病室に入院している父の体調が回復し、一般病室に移りたいと申し出たが、MRSAに感染しているため断られた。この場合、差額ベッド代を払い続けなければならないのか。

 
A

 差額ベッド代の徴収は、特別病室の利用を希望する患者に、ベッド数・設備構造および料金等について十分な情報提供を行い、患者側の自由な選択による同意(文書同意)が条件となっています。
 重症患者や術後患者などの安静確保、容態の常時監視、免疫力低下による感染症の防止、終末期の苦痛緩和といった「治療上の必要」や、緊急の入院で一般病室に空きがないといった「病棟管理上の必要」から、特別病室を利用した場合など、実質的に患者側の選択によらない場合は支払う必要はありません。
 MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)などに感染し、他の患者への感染防止のため、主治医等の判断で特別病室を利用した場合も「病棟管理上の必要」にあたります。当初の同意書の内容にもよりますが、新たに同意して特別病室にとどまるのでなければ、原則として支払う必要はありません。