広報誌「かけはし」
 
■2004年6月 No.393
投稿 言わしてんか!聞いてんか!
   
●保険者機能強化に繋がる レセプトIT化の推進を!
   レセプトには、1枚に多くの情報を含んでおり、また件数も膨大であるが、診療行為ごとに点数化され、規格化されているので、ある意味全国で統一したIT化がしやすい分野ではないかと思われる。
 しかし、現状では全国の医療機関、支払基金、保険者(健保組合)が個別にシステム化しているため、レセプトに係るコストは多額になっている。ちなみに、健保組合サイドで見れば、支払基金に事務費を支払ったうえに、当組合ではレセプト件数年間31万件(被保険者、被扶養者計2・8万人)の処理費用として、年間740万円(1件当たり24円)を要している。これを全国の健保組合総数に換算すると3、100万人、レセプト総数3・5億件で処理費が84億円かかっていることになるが、一方ではその情報があまり活用されていないのが現状である。
 我が国を世界一のIT化立国にするため、政府のe―Japan委員会では、レセプトのIT化は@診療報酬事務の効率化、Aレセプト情報の活用による保険者機能の強化、B医療、福祉政策等に資するデータベースの活用などに期待されるとして、その促進を図る必要性を唱えている。
 レセプトのIT化は、事務の効率化に繋がることは勿論のこと、最も重要なことは、診療側で入力された情報が、データベース化され、各健保組合が同一システムでデータを共有化し活用することが、保険者機能の強化に繋がることと確信する。
 支払基金では医療機関側とレセプトの電算化の開発を進めているとのことだが、健保連もその開発に積極的に参画してほしいと思う。
 レセプトのIT化は、医療機関、支払基金、健保組合を一気通貫で流れるようにするために、関係機関が一体となって開発することが大切と思われる。
(第1地区 M・U)
   
●拠出金の上限と家族保険料の創設を
   景気が回復との報道がされるなか、不況業種といわれている当組合の母体の業界紙では「他の業界とかメーカーが参入してきている今の流れのままでは、わが業界のシェアはさらに減少してしまいそうな気がする」とある。
 当組合の現状も被保険者数は毎年7%程度減少、扶養率は全国平均を大きく上回る1・34人。老人加入率は扶養率が高いことにより全国平均を大きく下回る。
 この結果、被扶養者の医療費は被保険者分の1・45倍。老人保健拠出金は老人医療費1人当たりが高いことにもよるが、保険料収入の40%。拠出金全体では50%を占めているのが現状である。
 平成20年度の制度改革までは拠出金にぜひ、上限を設定してもらいたい。
 また、新制度の創設においては扶養の問題にもメスを入れていただきたい。
 たとえば扶養家族数にスライドさせた家族保険料(定額)を設けるとか、逆に少子化の歯止め対策の観点も含め、未成年者分の医療費の一部を国庫負担にするとか、拠出金の算定において若年被扶養者分は除外するなど…。
(第2地区 Y・S)
 
●愚痴も言いたくなる     
   月日が経つのは早いもので健保の業務に携わってはや10年。おりしも当組合の財政が赤字となった平成6年からである。その後も赤字基調は続き、収入不足を補うため別途積立金の繰り入れで対応してきた。その積立金も底をつき、保険料率の改定や付加給付・保健事業の見直し、保養所売却等々あらゆる手を尽くし財政の健全化に努めてきた。その苦労の甲斐もありここにきて何とか黒字となった。しかし、それもつかの間、平成16年度予算では再び大幅な赤字に陥った。その要因はいうまでもなく拠出金の増大によるものである。やっとの思いで蓄えた別途積立金で何とか収支のバランスを図ったが何ともやりきれない思いである。今後も拠出金の増加は避けられない。健保組合の自助努力も限界。投げ出したい心境であるがそうもいかない。愚痴の一つや二つも言いたくなる。  ところで年金問題では、内閣の閣僚を含む国会議員が一時期、国民年金保険料を支払っていなかったことが明らかになった。「年金未納兄弟」の皆さんの弁解には良識を疑うものもある。あきれて開いた口がふさがらない。たしかに制度的に複雑な面があることは否めない。しかし、国民に対し特別の責任を負う政治家がこうしたルール違反をしたことで年金不信が一層高まり、年金保険料を支払わない国民がさらに増えるのではないかと危惧するのは私だけだろうか。  少子高齢社会を迎え、医療・年金・介護のどれも安心して暮らすために欠かすことのできない制度である。一時しのぎ小手先だけの改革にはもううんざり。中長期的展望を踏まえ持続可能で安定的な社会保障制度改革を切に願う。 (第3地区 H・K)
 
 
投稿規定
「言わしてんか!聞いてんか!」
500字以内。手書き、ワープロ自由。見出しも付けてください。原稿を添削する場合があります。
イラスト、写真も歓迎します。
原則として、投稿者の「所属組合名と実名」を掲載。匿名希望(イニシャル)の場合も、原稿には「所属組合名と実名」を明記してください。
原稿は地区会の広報委員へFAXで送ってください。
問い合わせは、健保連事務局・辰巳(06-4795-5522)へ。