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大野秀樹氏 |
従来、胃潰瘍や十二指腸潰瘍の原因はストレス、タバコ、お酒などとされていました。しかし、ヘリコバクターピロリ菌が発見されてからは、菌による胃の炎症が慢性的に起きている場合に飲酒や喫煙、ストレスを誘因に発生すると考えられるようになりました。ピロリ菌が胃潰瘍の原因として占める割合は約7割、十二指腸潰瘍では9割程度で、その他の原因としては鎮痛解熱剤があります。
ピロリ菌には胃炎を起こす毒素があり、これが胃の組織障害を起こすと考えられていますが、それ以外にも様々な要因が重なって胃潰瘍や十二指腸潰瘍が起こると考えられています。ピロリ菌の感染ルートは口から口の経口感染で、特に衛生環境の悪いところで感染率が高いことがわかっています。また、家族の多い人、親に消化器疾患の既往がある場合などはピロリ菌の感染率が高いとされています。
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