歯科診療報酬をめぐる歯科医師会の贈収賄事件は、健保連元副会長が逮捕され解任されるという厳しい事態となった。
今回の事件は、あくまでも個人的な容疑であるが、我々会員組合にとっては誠に衝撃的な事件であると言わざるを得ない。
なぜならば、これまで中医協の場において、支払側の代表委員として、診療側と論陣の上に立った論戦を繰り広げ、適正な診療報酬の改定に努力されてきたと信じてきただけに非常に残念に思う。
このことを真摯に重く受け止めるとともに、全健保組合が一致団結してこの厳しい事態に対処していかなければならない。
大阪連合会としても、 |
@ |
本部に対して、厳格かつ透明性のある運営を求めるとともに、健保連の主張すべき点がより明確に示されるよう議論を深めていく。 |
A |
会員組合の意向を反映した建設的な意見をより活発に進言し、本部の揺るぎない体制確立にむけ積極的に支えていく。 |
の2点について、5月18日の理事会において確認されたところである。
一方、年金改革が叫ばれている最中、キャンペーンポスターに起用された江角マキコさんに端を発した国民年金保険料未納問題は、あれよあれよという間に国政の中枢をも揺さぶる大問題に発展した。
「ひとに任せていて知らなかった」という釈明がまかりとおっているが、「知らなかった」で済まされる制度が存在することが大問題である。
政治家はもとより全国民の誰にも理解できる分かりやすい制度が求められている所以であろう。
今日まで健保連が最大の問題点としてきた医療保険制度の老人保健拠出金、また介護保険制度における介護給付費納付金の決定に関し、健保組合がその設定に関与できない仕組みと同じである。
国は、国民への説明責任を怠っているとしか言いようがない。医療保険制度の改革においてはこのようなことのない仕組みを構築して欲しい。
一部の専門家だけに運営が委ねられるような制度でなく、国民の誰もが理解できる新しい制度の創設を求めたい。
そのためにも我々は傍観者であってはならない。一歩も二歩も踏み込んだ建設的な意見具申をとおした積極的な参画が必要である。
新体制となった健保連本部には我々の意見を反映した具体的な方針を早く掲げていただきたい。
被保険者の信頼に応えるためにも今回の不祥事件を梃子に前向きの大きなエネルギーに変えるべきである。
健保連全体が一枚岩となった透明性のある組織運営が今こそ求められている。 |
|
(T・N) |