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川田光博氏 |
リハビリテーションは患者さんを中心に様々な職種の人がかかわって行われます。それらの職種をコーディネートし、適切な治療を提供するのがリハビリテーション医です。理学療法士は運動療法と、ADL(日常生活活動)といった理学療法を中心に行います。そのほか、作業療法士、言語療法士、義肢装具士、看護師、保健師、教師、臨床心理士、ケアマネジャー、ソーシャルワーカー、ホームヘルパー、ボランティアといった人がリハビリテーションにかかわります。
私たち理学療法士が考える理学療法のプロセスは、機能障害を改善し、日常生活を自立させ、社会生活に復帰させようというもの。しかし、高齢者については病院に入院すると基本的に機能が衰退します。まずは、機能の維持に重点を置くことになります。ところが、十分な機能回復ができず、寝たきりになる人も多くいます。寝たきりから健康体に移行させる場合にはどうすればよいのでしょうか。
寝たきりに近い状態では、患者本人と生活環境と介護者が非常に密接に結びついた状況になります。介護者の負担は大きくなり、疲労が重なって病気になったりします。そうなると、患者本人は褥創や関節の硬縮、筋力や心肺機能の低下など、廃用性の症候群を起こします。
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