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社会保障制度の一方の柱である年金改革は、今国会に法案が提出されている。本誌が発行される頃には、国会審議が進み一定の方向性が明らかになっていることを期待している。しかし、年金改革が、昨年の衆議院選挙でも国民的関心事として大きく取り上げられ、厚生労働省も高齢社会にふさわしい、長期的に持続可能な制度の確立を、と言っていたことからすると、少し違う内容となったようだ。
それは、▽給付水準は現役標準所得の50%以上を確保。▽厚生年金の最終保険料率を18・30%とする。▽基礎年金の国庫負担を2分の1とする。としているが国庫負担引き上げについては、今後の税制改革後に見送ることとなった。結果として今回の年金改正法案は、次期再計算(平成21年)を視野に入れた改革法案となった。
社会保障制度のもう一方の柱である医療保険制度改革は、政府の「基本方針」が決定されて1年が経つ。
健保連は、昨年の全国大会において、@医療制度改革の前倒し実施A拠出金負担の廃止と公正な制度の創設B国民が納得できる診療報酬改定の実施C「社会保険方式」の堅持と「患者中心の医療」の実現を全体の創意として決定した。
特に、今日の医療保険制度を危機的な状況に追い込んでいる大きな要因が、老人保健等拠出金制度にあることから、違法性のきわめて強い拠出金問題についてワーキンググループを設置して検討を行い、訴訟も視野に入れた取り組みを行っていくことを決定した。
拠出金制度の問題点を内外に明らかにしながら前倒し実施の必要性を訴え、理解を求めていくこととしたのである。
そして我々の当面の課題は、そうした議論をとおして政府の「基本方針」に対する健保連の考え方をまとめ上げ、当面する施策の具体的目標等、制度確立までの道筋を明らかにしていくことであった。
現在、高齢者医療制度と関連する年金改革の動向が不透明でむずかしい情勢下に置かれている。
しかし、医療保険制度における緊急対策や、平成17年度予算に対する取り組みなど、われわれの行動を考える時、今こそ、健保連の中央・地方一体となる議論を積み重ねることが重要と考える。
そして、すべての健康保険組合が被保険者、事業主に理解を求め、日本経団連、連合など関係団体との連携をはかることを見据えた、その備えをしておくこともまた重要な時期に来ていると思う。
医療保険制度改革の道のりは、永くきびしいが、当面する緊急(対策)課題や、中長期にわたる課題にたいし、われわれ健保連の積年の想いをこめて粘り強く取り組んでいくことが、まさに安心して、長期的に持続可能な制度の確立につながるものと確信する。
議論の喚起を促したい。
「医療保険制度改革、
出番です!!」 |
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(K) |
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