骨折部を観血的に整復固定する方法を骨接合術といい、骨接合術には骨折箇所や骨折状態に応じ、「骨縫合法」「釘固定法」などの固定法があります。
これらの療法に用いる銀線・三翼釘・髄内釘などの固定材料は、骨の接合固定後に患部を切開し抜き取られることになっています。これを固定材料に関係なく「抜釘」といいます。
傷病手当金の待期については、前回の疾病が治ゆしたのち再び悪化した場合は、再発(別疾病)として再び待期を必要としますが、治ゆが認められない場合、継続(同一疾病)として待期は必要としません。
ところでこの抜釘ですが、わが国では術後必ず行われている実態から判断して、接合手術にかかる経過期間の長短にかかわらず、抜釘までを継続として取り扱うのが妥当と考えます。
ただし、抜釘しない前提で接合手術を受けたことが明らかであり、相当期間経過後、身体に違和があるとして抜釘を受けた場合などについては、医学的に治ゆしていない場合でも、軽快と再発との間に社会的治ゆに相当する期間が認められるときには、再発(別疾病)として取り扱われます。
したがって、事例については、抜釘そのものについての経過等を十分に確認したうえで判断しなければなりません。
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