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大阪連合会会長 加藤 幹雄 |
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昨年を振り返りますと、海外では、イラク戦争の勃発、そして、その後のテロの多発、また、中国・広東省で発生した原因不明の肺炎(サーズ)の猛威など、わが国に及ぼす影響も図り知れないものがありました。
一方、国内では、衆議院選挙が実施され、与党は、絶対安定多数の議席を確保し、引き続き、小泉内閣が政権を担当する結果となりましたことは、ご承知のとおりです。
また、本年は参議院選挙が行われますが、制度の安定に向けた我々の要求を働きかけるチャンスとして、取り組んでいかねばならないと考えています。
昨年は、阪神タイガースがセ・リーグ優勝を18年ぶりに決め、すこしは関西経済もうるおったという明るい話題もありました。本年もぜひ連続優勝をめざし、今年こそ日本一になってもらいたいと思います。
日本経済は、景況感に改善のきざしが見えてきております。我々、社会保険制度に携わる者にとりましても、医療・年金・介護とも課題山積みの状況ではございますが、是非、本年は明るく活力のわくような出来事が、多くありますよう願いたいものであります。
一方、健康保険組合の収支状況をみますと、平成14年度の決算では、健康保険組合の8割以上が、赤字を計上し、ますます深刻な状況に至っております。
医療保険制度の抜本改革が求められているなか、政府は、15年3月末に『医療制度改革の基本方針』を決定しました。
拠出金制度は廃止されることとなりますが、拠出金にかわる新たな財政調整の仕組みについては、現在のところ不透明です。新しい高齢者医療制度には、多くの課題が残されており、一筋縄ではいきません。財源問題もからんで、なかなか将来像を描ききれないのが実情であり、今後医療保険制度のあるべき姿を目指し、引き続き抜本改革実現のため、さらなる活動を続けていく必要があります。
加えて、大切なことは、医療制度改革のタイミングであり、健保組合の財政が厳しいなか、切実な問題として、改革の前倒し実施を実現させねばなりません。
ところで、健保連では、昨年10月からインターネットによる病院情報を開設しましたが、患者中心の医療をめざし本年はさらに充実させていかなければならないと考えております。
厳しい社会情勢のなかで多くの国民が、自分が病気したときや、失業したとき、さらには、老後の生活といった弱者の立場になったときの不安を抱いていると思います。社会保障制度を取り巻く環境も、厳しい状況が続いておりますが、少子高齢社会においても、いかにして公平で持続可能な社会保障制度を構築するかであり、納得して、安心できる仕組みにしていくかが、重要な課題であります。
医療・年金・介護等の社会保障制度については、基本的には、自らが老後や、病気等に備える自助努力が必要であると考えます。自己責任とお互いに助け合う精神を基本とする『社会保険方式』はこれからも持続していくべきであります。
わが国の社会保障は、世界に冠たる制度となっています。国民皆保険・皆年金制度というすばらしい財産をしっかりと継承できるよう、皆様の英知を結集し、さらに前進できる年にしたいと思っておりますので、何卒よろしくお願い申し上げます。 |
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