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■2003年12月 No.387 |

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「うつ病・職場不適応症の職場復帰を支える」と題し、大阪府こころの健康総合センター診療課長の漆葉成彦氏による心の健康講座が、11月6日、薬業年金会館で開かれました。 |
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●増える職場のうつ病
薬物療法と休養で治療 |
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漆葉成彦氏 |
うつ病は近年増加傾向にあり、生涯有病率15%といわれる、誰がなってもおかしくない病気です。
憂うつ、不安、イライラ、死にたいなどの自覚症状のほか、客観的には表情が暗くなり、涙もろい、反応が鈍いなどの症状が出ます。職場から見たサインでは遅刻や欠勤の増加、能率の低下、無断欠勤などがあります。こういう症状があれば、まず受診をすすめます。
うつ病の治療で大事なのは薬物療法と休養。医師に診断書を作成してもらい仕事を休みます。1〜3カ月ぐらい休養しているとかなりよくなりますが、経過の特徴として、回復期には、よくなったと思ってもまた悪くなる、症状の一進一退があります。それは回復の経過であるということを患者さんに理解してもらいましょう。回復期には自殺者が多いので要注意です。また、軽躁状態になることも。うつ病は再発しやすい病気なので、それを前提にしたフォローが必要です。
うつ病で休職する場合、大切なのは定期的に本人と接触すること。さらに会社は主治医に接触し、休職中のフォローなどについて聞いておくべきです。一方職場不適応症の場合などは家族との接触も重要です。
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●主治医との連携が重要
病気に対する理解を |
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うつ病が回復し、職場復帰するタイミングとしては、@症状が改善していること、A勤労意欲があることに加え、B仕事の負荷に耐えうることがとても重要です。無理をさせると再発の可能性があり、本人にとっても職場にとっても不利益になります。
休職時、復職時には、職場も主治医との面談の必要があります。その際には主治医の立場や守秘義務などを理解する必要があります。面談は本人同席で、一番大事なのは主治医に職場の問題を理解してもらうこと。本人の適応状況や職場の適応状況、職務規程なども知ってもらうべきです。本人の今後の処遇についても伝えておきましょう。
職場では病気に対する理解が一番大事。100%治るのは非常に時間がかかるもの。復職してからも通院や服薬が必要です。おすすめしたいのが、リハビリ出勤、段階的復職。これを導入すれば職場は本人の様子がよくわかり、受け入れ態勢を作りやすくなります。本人のプレッシャー軽減や、再発防止にもつながります。本人の心構えとしては、まず出勤に慣れること。自分に対する要求水準を下げ、余裕を持つ、定期的通院、服薬、出勤直後の気分変動に注意することなどがあります。周囲は励ましたりせず、話しやすい環境を作ること。再発の可能性を念頭に置いて支援し、主治医と連携を取ることが重要です。 |
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