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石川秀樹 氏 |
近年大腸がんが増加しており、2015年には、発生率が一番高くなるといわれています。予防策としては、早期発見、早期治療を行う二次予防と、がんの罹患を予防する一次予防の二つがあります。大腸がん早期発見のために、厚生労働省は「免疫学的便潜血検査・2日法」をすすめています。検査が2日に及ぶのは大腸がんは断続的に出血するので、1日だけの検査では出血を検出できない場合があるからです。この検査で、一度でも陽性が出た場合は必ず大腸内視鏡検査を受けましょう。内視鏡検査は注腸検査より細かい部分までチェックができ、がん化する可能性のあるポリープもその場で切除できることもあります。大腸ポリープが発見されたら、2〜3年に1度、定期的に受診しましょう。
一方、一次予防では生活変容と化学予防の二つの方法があります。近年がんになりやすい遺伝子が判明しているので、薬を飲んでがんを予防する、化学予防が実現する時代がすぐそばまで来ています。生活変容の中の大切な柱は、禁煙。さらに肉は1日80グラムまで、野菜は1日350グラム、イモ類や精製しない穀類の摂取を心がけ、飲酒は下痢をしない程度にとどめます。加えて総摂取エネルギー中、脂肪由来は18〜22%程度にとどめ、適度な運動をする、BMIを25以下にするといったことも大腸がん予防には有効です。
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