広報誌「かけはし」
 
■2003年11月 No.386
時評

新内閣政府にかける
「医療制度改革」の早期実施!


 箕面連山では、錦秋の「紅葉」が名所であり、毎年行楽客が待ち望む季節を迎えた。
 ちょうど、この号が発行される頃には、健康保険組合全国大会が開催され、全ての組合が望んでいる「医療制度改革」早期実施への赤い気炎を燃え上がらせているだろう。
 海外での選挙の話題は、イラクの大量破壊兵器疑惑に対する国連の査察結果を待つ余裕もなく、脅威の侵攻により、多くの無辜の国民をも戦禍に巻き込んだため、世界中から批判を受けた米国において、カリフォルニア州知事選挙が行われた。一席をめぐって、政策よりも、候補者個人の売名が優先し、自由奔放な主張を宣伝する、約200人もの多数の立候補者が賑わったため、トピックとなった。
 一方、国内では、与党最大の自民党総裁、実質的には日本の総理を選ぶこととなる選挙が行われた。
 立候補希望者は、最後まで混沌としたが、最終的には4人に絞られ、構造改革推進政策の小泉氏が総裁に再選された。
 更に今月9日には衆議院の解散に伴う国会議員の選挙も行われ、与野党の激しい攻防戦の末、新政府が発足した。
 新たに選出された国会議員は、全国有権者の半数以上を占める被用者保険の本人・家族の投票により、当選出来た事を十分認識すべきである。
 従って、前内閣時の社会保障審議会において、決定されている社会保障改革(医療、介護、年金)を三位一体で早期に実施する積極的政策を新政府にも期待する。
 14年度の全国健保組合の収支状況は不況により保険料収入は大幅に減少している。これに対して、支出は両拠出金の増大により、8割以上の組合が赤字を余儀なくされている。
 更に16年度予算では、国庫補助金は削減されるのに反して、退職者拠出金は大幅に増大すると予想され、解散を余儀なくされる健保組合が益々増加すると見込まれる最悪の財政状況である。
 現計画では、医療制度改革の実施目標は5年先に置かれているが、それまで持続出来ない財政窮迫の健保組合が多い。
 今後、全国の健保組合の存亡は「医療制度改革早期実施」を新内閣政府が真剣に取り組むか、否かに命運がかけられている。
  (啓)