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太田玄一郎 氏 |
老眼は年をとって近くのものが見えにくくなる状態で、病気というよりも機能的な低下です。治療には、めがねや遠近両用コンタクトレンズを使用します。
最近増加傾向にあるのが緑内障。眼圧が目の正常機能を維持できる生理的な範囲(健常眼圧)を越えて上昇することで生じる視神経障害で、視野の欠損や視力低下を来す疾患です。最近は正常眼圧の範囲でも視神経に障害を起こす正常眼圧緑内障が増えています。緑内障にはほかの病気から眼圧が上がる続発緑内障と、先天緑内障、ほかに障害の原因がなく眼圧があがる原発緑内障があります。原発緑内障には急に眼圧が上昇して症状が出る閉塞隅角緑内障と、じわじわ眼圧が上がり、徐々に症状が進む開放隅角緑内障があります。閉塞隅角緑内障で眼圧が急激に上がるので、急激な視力低下と眼痛、頭痛などの症状が出ます。
緑内障は失明原因の10〜25%をしめる疾患です。有病率も6%程度と高くなっています。診断には眼圧、眼底、視野などの検査が行われます。眼圧の検査には接触法(圧平眼圧計)と非接触法があり圧平眼圧計の方が正確ですが、スクリーニングには最近はほとんど非接触法がとられています。眼底検査では視神経乳頭の状態を見ます。視野検査では見る範囲が欠けていないかどうか確認します。
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