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大野秀樹内科部長 |
ウイルス性肝炎の種類は現在のところA型、B型、C型、D型、E型、G型が発見されています。B型肝炎ウイルスは、血液感染しますが、ワクチンが開発され、感染防止が可能になりました。C型肝炎も1988年、遺伝子クローニングが実現し、HCV抗体検査の技術が進みました。現在では、抗体の検査だけではなく、HCV―RNAの定量、定性も可能です。C型慢性肝炎の診断はAST、ALTが異常であり、HCV抗体が陽性であること、さらに、HCV―RNAが検出されれば確実です。
C型肝炎ウイルスも血液から感染します。感染後約7割の人が慢性肝炎へ移行し、その後約10年〜20年でそのうちの3〜4割が肝硬変になります。また、肝硬変の人の約7割が肝がんに移行します。もちろん、全員が肝がんになるわけではなく、肝炎の活動性と、肝臓の線維化が発がんに大きくかかわっています。
C型肝炎ウイルスを排除するにはインターフェロンを投与します。肝炎が進行していれば、対症療法として、強力ミノファーゲンや小柴胡湯を用います。しかし、インターフェロンには副作用も多いので、症例を選ぶ必要があります。なお、小柴胡湯を使っている場合、間質性肺炎を引き起こすので、インターフェロンは投与できません。また、インターフェロンは肝硬変や肝がんへの進展は抑制できますが、投与した人全員に有効なわけではありません。
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