広報誌「かけはし」

■2003年7月 No.382
時評

－ 7月10日に健保連が発表 －
　

　健保連は、７月１０日「平成１４年度健康保険組合決算見込みの概要」を発表した。
　
１．    全組合の経常収支は４，００３億円の赤字となり、１３年度の赤字額を約１，０００億円上回る過去最悪の決算であり、赤字組合は全組合の８割を超える１，３４７組合に及んだ。 
２．    赤字額が大幅に増加した要因は、被保険者数の減少と平均標準報酬月額が対前年度比で初めて減額となったことによる経常収入の大幅な減少と、保険料収入に占める拠出金の割合がさらに増大したことにある。
３．    大阪府２１１組合は不況の影響が極めて顕著で、この赤字要因が全国平均をさらに大きく上回り、地域事情が組合間格差をより助長拡大していることが明白である。
　
■ 大阪府２１１組合の決算見込み状況は次のとおりである。
① 赤字組合数

182組合

   （86.3％…全国平均80.6％）
② 経常収入の減少額

313億円

   （△3.86％…全国平均△1.87％）
③ 被保険者数の減少

78,033人

   （△3.80％…全国平均△1.51％）
④ 保険料に占める拠出金の割合

44.9％

   （全国平均43.9％）
⑤ 保険料に占める拠出金の割合
が５０％を超える組合数

73組合

   （34.6％…全国平均26.3％）

　

　 全国 大阪府
    ■経常収支黒字・赤字組合
　 組合数 収支差引額（億円） １組合当額（億円） 組合数 収支差引額（億円） １組合当額（億円）
収支黒字組合 325 528 1.62 29 60 2.07
収支赤字組合 1,347 △4,531 △3.36 182 △724 △3.98
赤字組合の割合（％） 80.6 　 　 86.3 　 　

    ■経常収支決算見込み額
　 経常収入 経常支出 収支差引 経常収入 経常支出 収支差引
決算見込額（億円） 56,796 60,799 △4,003 7,787 8,451 △664
対前年度比（％） △1.87 △0.15 　 △3.86 △2.31 　
被保険者一人当（円） 379,916 406,691 △26,775 394,041 427,646 △33,605

    ■適用状況
　 組合数 被保険者数（千人） 平均標準
報酬（円）		 組合数 被保険者数（千人） 平均標準
報酬（円）
平成１４年度 1,672 14,950 370,073 211 1,976 370,988
対前年度比（％） 50組合減 △1.51 △0.61 10組合減 △3.80 △0.54

    ■保険料収入に対する拠出金の割合（％）
　 拠出金合計 老人保健拠出金 退職者給付拠出金 拠出金合計 老人保健拠出金 退職者給付拠出金
平成１４年度 43.87 33.22 10.64 44.90 35.17 9.73
対前年度増減 2.35 1.02 1.32 2.16 1.19 0.97

    ■保険料率・法定給付費等に要する保険料率（所要財源率）が政管料率を超える組合
　 組合数 対前年度増減 超える組合の割合（％） 組合数 対前年度増減 超える組合の割合（％）
保険料率 900 △1 53.83 116 △8 54.98
所要財源率 907 93 54.25 129 13 61.14