広報誌「かけはし」
 
■2003年6月 No.381
投稿 言わしてんか!聞いてんか!
   
●「法改正」で益々複雑に…
   複雑な高額療養費制度について、みなさんはどのような理解なのだろうか。よく従業員等から、「入院治療の必要があり治療費が高額になるといわれた。健保組合から還付はあるのか」と電話問い合わせがあるが、健保組合職員の中で的確にわかりやすく説明できるものが何人いるのだろうか。入院となると個人負担額の説明から必要になる。私は「入院時食事負担金の1日当たり標準負担額は○○円、これについては、還付対象とはならない。治療費の負担金については一般的に、1カ月の負担限度額は72、300円+診療費の241、000円を超えた額の1%を加えた額です」という説明で済ませている。
 これで質問者に、【食事負担金+72、300円以上は負担しなければならない】と理解をうながす。診療費の・・・を超えた額の1%を加えた額の説明は、あまり必要性がないのかもしれない。
 今回の法改正により、病名は(副病名は)・病院は・治療法は(手術の有無等)、複雑な一覧表および係数算定式から、1日当たり○○円の説明をしなければならない。従来からの、年齢は・所得は(低・上位所得者)・期間は(年間4回以上)・特殊な治療は(特定療養費)等…。複雑になりすぎて説明しきれない。これから医療を受けようとする患者に適切な説明になっているだろうか。機関紙等では「賢い患者・無駄な医療費を無くそう」と大きな旗を振りながら…。決して説明(勉強)を、怠るわけではないのだが。
 そこで、1カ月の負担限度額は72、300円+診療費の241、000円を超えた額の1%を加えた額を残すことの意義はあるのだろうか、疑問を感じている。新しい項目が追加されてきている、壊すことも必要ではないだろうか。
 拠出金廃止・医療保険制度改革に比べれば、細かいことではあるがすぐにでも改正を期待したいものだ。
(第1地区 N・F)
   
●高齢者医療制度に想う
   このたび、政府から将来の高齢者医療制度の骨子が発表された。内容は、高齢者を前期と後期に分け、前期高齢者の医療費は制度間の財政調整で賄う。また、後期高齢者の医療費は加入者の保険料、公費、そして各制度からの支援で賄うというが、増大する医療費の単なる対処法を整理しただけのものである。
 高齢者の医療費が何故これほどまでに増大するのか。その原因は体力の衰えによる罹病率の高さと、高齢者が増え続けているのはわかる。しかし、老人医療費の無料化時代、「病院・診療所のサロン化」という社会現象を生み、適正受診とほど遠い掛け持ち受診や乱診療がはびこったのも事実である。その後、無料化は廃止され、現在では原則1割負担と少しメスが入った程度である。
 一方、厚労省は10数年前から、制度間の給付格差の是正を掲げ、健康保険の給付の引き下げを段階的に実施しており、この4月からは患者負担3割で目標を達成した。
 今後、高齢者医療制度の患者負担も議論されるが、同じ医療制度であるので是非3割負担を実現し、適正受診による医療費削減を目指さないと、若い世代は納得しないだろう。
(第2地区 M・H)
 
●”まちづくり“は”人づくり“
   バブル経済の崩壊や阪神淡路大震災による被害などをきっかけに”まちづくり“活動に参加する人が増えています。
 一口に”まちづくり“といっても環境、交通、高齢・少子化等など個々の問題が困難で、いずれもが相互に密接に関連しています。
 お年寄りの介護や子育て支援についても昔は、老いはいずれわが身、子育ては子々孫々に未来を託す意識から、助け合いが当然のように思われていましたが、現代社会では基本的には個人の問題であるとのとらえ方が根底にあるように思われます。
 平成12年4月にスタートした介護保険制度も4年目に入りましたが、保険料等の財源をいかに確保し公平に給付することしか考えていないように思われてなりません。
 確かに介護保険制度は自動車事故の救済である自賠責保険と同じく基本的には保険システムであるわけですが、高齢者介護はお金やサービスの提供のみでは解決できません。
 ボランティア活動を経験して感じたのが、ご自身が介護を必要としているにもかかわらず、囲碁や将棋の達者な方、絵や陶芸の好きな方など何か自分の力を社会に活かしたくてウズウズされているお年寄りの方がほんとうに多数おられるということです。
 国、行政のサポートがもっとあれば、住民、自治体、企業(健保組合)、専門家が一体となって汗と知恵を出し合い、まちづくり・人づくりシステムの推進はできるのではないでしょうか。
(第3地区 寺田)
 
投稿規定
「言わしてんか!聞いてんか!」
500字以内。手書き、ワープロ自由。見出しも付けてください。原稿を添削する場合があります。
イラスト、写真も歓迎します。
原則として、投稿者の「所属組合名と実名」を掲載。匿名希望(イニシャル)の場合も、原稿には「所属組合名と実名」を明記してください。
原稿は地区会の広報委員へFAXで送ってください。
問い合わせは、健保連事務局・辰巳(06-4795-5522)へ。