広報誌「かけはし」
 
■2003年4月 No.379
投稿 言わしてんか!聞いてんか!
   
●一般生活者を動かす広報を!
    出勤前のあわただしい朝、まだ覚めやらぬ耳に流れてきたのは「なるほどケンポ」のラジオのジングル。いつもの「六甲おろし」ではなく、思わず仕事を意識して聞き入ってしまった。
 健保組合の実態や医療保険制度の課題を、一般の聴視者に簡潔に分かり易くコマーシャルしているこの試みは、近年にないヒットであると感じているのは私だけではないのでは?
 ”どれだけの効果があるのか“という疑問を投げかける諸氏もおられるが、これからは一般生活者に対する根気よいコマーシャルが、国を動かすことになるのではないだろうか?
 最近の無党派層が勝利する地方選挙やイラク反戦に対する運動のように、日本社会も少しずつ変わってきており、政府に向かって反論するだけでなく、また加入者や事業主に対する広報だけではなく、広く一般生活者にコマーシャルすることを考えていく時代ではないかと考える。
 せっかくのこの試み、もっと全国的に、政府が動くまで続けていってもらいたいものである。また、毎年行われている健保組合全国大会も、一般生活者を巻き込んだ催しになるような試みがあってもいいのでは?
(第1地区 T・M)

   
●春
   拠出金に追われ、わが健保財政の深刻さは増すばかり。保健事業を削り、付加給付を見直し、保険料率を引き上げて対応せざるを得ない状況が続いてきた。
 一方、健保組合が推進すべきといわれることは多い。曰く、生活習慣の改善指導、一次予防の推進、メンタルヘルス、万歩運動、禁煙運動等、結果として医療費が削減されるという。テレビでも雑誌でも健康増進の番組・記事・パンフが我々のまわりに日常溢れているというのに…。
 50年程前に亡くなったフランスの詩人であり、文明批評家でもあったポール・バレリーは次のような意味のことをいっている。
 自由な空間と自由な時間とは今では追憶でしかない。外見上の余暇は今でもあり、法律的にも保護されているけれども、時間で測られた自由な時間とは全く別物の内的な余暇が失われている。
 われわれにとって不可欠な安息、即ち放心が失われているというのです。放心こそが、人間を過去と未来から解放し、生命の諸要素に新しい力を獲得させ得るものだというのです。
 勉強を離れて、ぼんやりしていたように見えたあの時間。海や空や太陽に相対したあの時間が、何物にもまして彼を作りあげた。
 このような静観と、交感の状態に匹敵する価値のある書物も、著者も、彼は知らないといいます。
 200年以上前に亡くなった日本の俳人であり、画家であった与謝蕪村の句を思い出す。
 春の海 ひねもすのたり  のたりかな
海そのものになることであるのなら、休日のごろ寝も馬鹿にしたものではなさそうです。
(第2地区 S・N生)
 
●雑感
   最近、関西経済連合会が発表した「医療保険制度の体系の在り方(厚生労働省試案)に関する意見」の記事を読んで、非常な驚きを感じた。
 「意見」は、医療保険制度のあるべき姿として、
@現行の医療保険を全て解散し、高齢者医療も含めた都道府県単位の新たな地域保険として再編する。
A一般行政から独立した特別法人(医療保険法人)を設立して、新たな地域保険の保険者として制度運営の責任主体とする。
が主なポイントである。これは、「厚労省試案」で示された制度の一元化の方向と同じ考えと思えるが、これが支払い側の経営者団体からの意見という事でビックリした訳です。
 健保連や日本経団連は「単なる保険者の再編・統合、一元化は保険者機能の発揮を阻害し、自主的な相互扶助の基本理念を否定するものであり、反対である」と、以前から主張してきている訳で、特に健保組合は、母体企業との密接な連携により、従業員やその家族の健康管理・疾病予防等に努力して、生産性向上に大いに貢献してきており、この一番大事な保険者機能の発揮、および自主的運営を否定する様な経営者側の意図がどこにあるのか、非常に理解に苦しむところです。
(第3地区 A・K)
 
投稿規定
「言わしてんか!聞いてんか!」
500字以内。手書き、ワープロ自由。見出しも付けてください。原稿を添削する場合があります。
イラスト、写真も歓迎します。
原則として、投稿者の「所属組合名と実名」を掲載。匿名希望(イニシャル)の場合も、原稿には「所属組合名と実名」を明記してください。
原稿は地区会の広報委員へFAXで送ってください。
問い合わせは、健保連事務局・辰巳(06-4795-5522)へ。