広報誌「かけはし」
 
■2003年4月 No.379

 
   ただいまをもって健康保険組合連合会大阪連合会の会長職を引かせて頂きました。正直申しまして、後ろ髪を引かれる想い、また感無量の想いがあります。
 5年前私が就任いたしました平成10年は、先行き暗雲が認められましたが、まだ比較的平和で安定した時代でした。
 国民皆保険の中でも健康保険組合制度は世界に誇るものでしたが、いまや急速な高齢化と経済情勢の激変、日本経済システムの崩壊が皆様の健康保険組合の経営に強烈な打撃を与えつつあります。
 この問題を解決すべくこの5年、皆様とご一緒に一生懸命取り組んで参りました。
 所期の目標である拠出金の廃止までは至りませんでしたが、昨年7月健康保険法の一部改正が実現し、あわせて附則で新しい高齢者医療制度の創設が約束されました。
 これを受けて、政府としての基本方針が先週末の3月28日の閣議で決定され、その中で現在の老人保健制度および退職者医療制度の廃止が約束されました。
 形を変えた拠出金制度が作られないよう十分注意する必要がありますが、一応の大きな前進の第一歩が踏み出されたと評価いたしております。
 この基本方針に基づく改革は、平成20年度、すなわち5年後になります。従いまして私自身、先ほど申し上げましたように後ろ髪を引かれる想いでありますが、引くべき時がきたと感じた次第であります。
 幸い20年来の友人である住友金属副社長の加藤幹雄さんが、後を引き受けて頂けることになりました。
 加藤さんは皆さんよくご存知の、歌手の加藤登紀子さんのお兄さんであります。加藤登紀子さんは私共の心に響く歌「知床旅情」「琵琶湖周航歌」などをよく歌われますが、お兄さんの幹雄氏も人の心や、想い出を大変に大切にされる方ですので、皆様どうかよろしくお願いいたします。
 5年間務めさせて頂いた会長の重責をなんとか大過なく果たすことが出来ましたのも、会員の皆様をはじめ、理事・監事の皆さん、置田さん以下の事務局、また越後副会長、木割副会長、西本副会長、徳永元副会長のお陰であります。
 厚く厚く御礼申し上げ、退任の挨拶とさせて頂きます。
 
 
   ご紹介いただきました加藤でございます。
 一言ご挨拶申し上げます。
 私にとりましては、社会保険という分野は、全く新しい世界ですが、思いもかけず岡澤会長(さん)から「世のため、人のため一肌脱がないか」とのお話しがありまして、今日までお世話になった社会に少しでもお返しできたらとの思いからお引き受けさせていただいたような次第でございます。
 只今の総会でのご挨拶や平成15年度の事業計画を拝聴いたしておりますと、健康保険組合にとりましては、極めて厳しい財政状況が続いているなかで、医療制度改革も28日に政府の基本方針が示されまして一つの区切りの時を迎えたのではないかと思います。これから改革の中味が具体化していくわけですが、健康保険組合連合会の主張や政策を反映させていかねばならないまさに正念場を迎える時期ではなかろうかと思います。
 そのような非常に重要な時期に、このような大切な役目を仰せつかることは、まことに身の引き締まる思いがいたしております。私自身微力ではありますが、健康保険組合が将来とも健全な姿で発展していけるよう皆様とご一緒に精一杯努力してまいりたいと存じますので、ご支援ご鞭撻を賜りますようよろしくお願いを申しあげます。
 以上簡単ではございますが私の挨拶とさせていただきます。
    履歴書
  氏 名
出身地
学 歴
職 歴
加藤幹雄(かとうみきお)  昭和13年2月5日生
京都府
昭和36年3月 一橋大学経済学部卒業
昭和36年4月 住友金属工業(株)入社
昭和60年4月 同社 鋼管輸出部長
昭和63年6月 同社 ニューヨーク事務所長
平成 3 年6月 同社 取締役    
平成 6 年6月 同社 常務取締役
平成10年6月 同社 副社長
                    現在に至る
 

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