広報誌「かけはし」
 
2003年3月 No.378
生活習慣病を予防しましょう

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 「生活習慣病を予防しましょう〜あなたの健康 あなたの手で〜」をテーマに、健保連大阪連合会共同設置保健師の新池圓氏による健康セミナーが、2月20日健保連大阪中央病院で開かれました。
新池 圓氏
一次予防が重要 楽しく食べて元気に
   厚生労働省は平成8年に生活習慣病を「食生活、運動習慣、休養、喫煙、飲酒などの生活習慣がその発症や進行に関する疾患群」と定義しました。食生活の欧米化、人口の高齢化、喫煙、ストレスの増大、運動、労働の減少などが原因としてあげられます。生活習慣病は、健康的な生活習慣によって予防が可能です。健康日本21では、一次予防が大切と位置づけており、私は健康寿命の延伸と生活の質の向上を目標としたいと考えています。
 一番重要なのは食生活。最近の食生活はコンビニ弁当やファーストフード、遅い夕食、清涼飲料水の多飲、朝食抜き、個食などの特徴があり、栄養的には不適切なエネルギー摂取、脂肪・塩分・糖分の摂りすぎ、野菜不足、カルシウム不足といった問題があります。
 まず、1日の適正な総エネルギー量を知りましょう。計算式は標準体重×生活強度です。生活強度は事務職なら25〜30と軽度です。そして料理は脂肪を減らして。コツは肉を赤身やささみにすること。揚げ物や炒めものより、網焼きや蒸し焼き、ゆでるなどの調理法が適しています。塩分は1日10グラム以下に。料理を熱いうちに食べたり、柑橘類などを上手に使えば塩分カットができます。1日に摂る野菜の目安は生野菜なら両手いっぱい、煮野菜なら片手いっぱいです。食べることは非常に大事です。1日3食、主食、主菜、野菜をバランスよく、よく噛んで食べるよう心がけてください。また、楽しく食べる工夫をしましょう。
運動で健康を維持 まずできることから
   運動も生活習慣病予防には欠かせません。運動は過剰エネルギーを消費し、心肺機能を維持・向上させます。さらに筋力低下や柔軟性低下を防止し、ストレスを緩和します。体を動かすことで悩みが消えます。まずはできることからはじめましょう。例えば、1日30分の運動を週3回するとか、階段の下りだけでも歩く、大股歩きをする、昼食は遠くの店まで歩くといったことを実践してみましょう。筋力をアップすることによって、いったんは寝たきりになったお年寄りも元気を回復できることがわかっています。
 また、休養や睡眠も生活習慣病予防には大切です。そして笑うこと。笑うと元気がわいてきます。「笑いこそ百薬の長!」です。
 ブレスローは「7つの健康習慣」を提唱しました。適正な睡眠時間、喫煙はしない、適正体重を維持する、過度の飲酒をしない、定期的に運動する、朝食を毎日摂る、間食をしない、私は経済力も健康に影響を与えると考えます。つまり老後はキン力(=筋力、金力)です。みなさん、キン力を養って元気に年を取りましょう。