広報誌「かけはし」

■2003年1月 No.376
時評

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足 と 健 康
 
池田憲昭氏


 「足と健康〜正しいウォーキングの基礎知識〜」と題し、日本ウォーキング協会公認ウォーキング指導員の池田憲昭氏による研修会が、昨年11月22日、健保連大阪中央病院で開かれました。


運動としてのウォーキングとは

 ウォーキングはいつでも、どこでも、だれでも、ひとりで、安全に、手軽にできる運動として人気です。しかしただ歩くだけではなく、しっかり筋肉を使って、下半身の衰えを防ぐことが大切です。
 1日に歩く目標は1万歩といわれています。これは成人の平均的な余剰エネルギーを割り出した結果出された歩数で、1万歩で約325キロカロリーを消費します。これはおにぎり2個、ハンバーガー1個、缶ビール2本などに相当します。
 正しいウォーキングは筋力を強化し、持久力アップし、脂肪燃焼などに効果的。心肺機能の向上、足腰の強化、ダイエット、リハビリ、骨粗しょう症対策、生活習慣病の予防などのメリットをもたらします。

正しい姿勢の作り方とは

 ウォーキングで大事なのは正しい姿勢。背中が曲がらないように、肩を開きます。姿勢が崩れると、歩いているときに手が体の前でクロスするようになります。靴の中で指を反らしておくのもきれいに歩くコツで、腕は意識して後ろにふります。さらにレベルをあげると「コア・ストレッチ・ウォーキング」という歩き方ができます。上半身も使って歩くのがこの歩き方のポイント。全身運動になって基礎代謝が向上します。ポイントは@指の付け根で体を押し出すA着地時はかかとに腰を乗せるB胸から足を振り出す、の3点です。

正しいシューズの選び方

 シューズ選びも重要。ポイントはサイズとフィッティング。左右の足の長さや幅、特徴をよく捉えて選びます。フィッティング時はかかとにぴったり足をフィットさせ、指先に1センチ程度のゆとりを持たせます。また、目的に合わせて選びましょう。
 ウォーキングシューズはかかとが丸く、指の付け根が曲がりやすく、つま先が上がっているので自然に足のあおり運動ができるよう設計されているタイプがお勧めです。なめらかな体重移動ができ、ウォーキングには最適です。

歩くときの注意事項

 注意としては、転んだときのためにもまず両手をフリーにしておきましょう。それから勘違いをしている人が多いのですが、無理に汗はかかないこと。運動すると汗はかきますが、汗をかいたから運動になるわけではありません。熱中症の原因になったりするので、サウナスーツなどはやめ、快適に運動できる通気性や吸汗性のいいウエアを着ること。
 週1度ぐらいは休みを入れましょう。そして自然の中を歩くなど、自分なりのウォーキングの楽しみ方を見つけてください。

なごやかに、実技もまじえて