広報誌「かけはし」

■2002年10月 No.373
投稿 言わしてんか!聞いてんか!
   
●日本の社会保障制度はどうなるのか
   健康保険制度では、今年の10月から高齢者の自己負担の原則1割、来年度から政府管掌保険料の値上げ、被保険者の自己負担が2割から3割になり、雇用保険も約3割程度の値上げ、年金受給者も物価連動分が給付減の見込みであり、社会保障制度は保険料の引き上げ、給付の引き下げが続々と実行されています。また企業年金も利回りの悪化等により給付の引き下げ、厚生年金基金の代行返上等が相次ぎ国民に痛みを伴う改革になっています。これからも不況は長期化し、少子高齢化が進むなかで給付削減と保険料の値上げは避けて通れない問題となっています。
 老人医療の自己負担も2〜3割になる日も遠い将来ではないでしょうし、年金給付の引き下げも予定されています。
 こういう時期こそ、すべての社会保障制度をトータルに見据えて、税金も含め将来の保険料や個人の負担を明示することが必要ではないでしょうか。明示したら、消費が減退しさらに景気が悪化するというケチな考えではないかと思われます。そのため問題を先送りし小手先の改革に終始したのが、健康保険制度を始めとする社会保障制度の悪化を招いた原因ではないでしょうか。
 いまからでも社会保障トータルの将来プランを明示し、我々の理解を得ることが必要であり、それが社会保障制度改革の出発点ではないかと思います。
(第1地区 R・N)
   
●財政事情
   4月より診療報酬が2・7%引き下げられ期待したが、被保険者数が減少したにもかかわらず、医療費総額は前年とほぼ同額。初のマイナス改定の効果なく、頭を悩ましているところに、7月26日の国会で、健保法の改正案が可決成立した。
 抜本改革の第一歩と一応納得し、総報酬制導入により、賞与等の事前の調査を行い、保険料率の試算を行ってみた。平成14年度予算で、ついに拠出金が、保険料収入の50%を超えている状況からすると、ある程度の引き上げはやむを得ないと思っていた。現状のままでは、現行の保険料率が必要とされ、政管健保の82‰を大きく上回る結果となった。
 財政悪化の原因は、重い拠出金負担であるのは明らかである。今回の改正の附則に盛り込まれた、新しい高齢者医療制度創設の基本方針については、来年3月末までに策定するとなっているが、来年度の保険料率を設定するうえでも、出来るだけ早い時期(12月まで)に決定して欲しいものである。
(第2地区 Y・S)
 
●再び・基本に立ち帰ろう
   7月号本欄に「今年こそ基本に立ち帰ろう」との寄稿がありましたが、同様の思いを抱くものです。少子高齢化の進展とともに健康保険や年金等、社会保険制度は財政面の困難に直面しています。ましてゼロ成長下ではなおさらです。
 お互いに助け合う制度とはいえ、健康保険の場合、メリットを受けるのは相対的に年齢の高い層という偏りがあり、保険料負担を若年層や独身者にも納得してもらう必要があります。負担の増大を前に、社会保険方式や公的保険制度の是非も問われることになるでしょう。
 医療サービスを全国何処ででも一定範囲の負担で受けられるという健康保険制度は先人の生み出した知恵の結晶だと思います。この制度の効率的運営のためには組合方式が最適であることを、被保険者・事業主ひいては国民一般に広く認識してもらうことが何よりです。
 制度がますます複雑化する中で、仲間内の言葉で語っていないか、自戒するところです。広報面での健保連の活動にも大いに期待しています。
 迂遠な事を言うようですが、相次ぐ厚生年金基金の解散や代行返上を見て感じる次第です。
(第3地区 A・T)
 
投稿規定
「言わしてんか!聞いてんか!」
500字以内。手書き、ワープロ自由。見出しも付けてください。原稿を添削する場合があります。
イラスト、写真も歓迎します。
原則として、投稿者の「所属組合名と実名」を掲載。匿名希望(イニシャル)の場合も、原稿には「所属組合名と実名」を明記してください。
原稿は地区会の広報委員へFAXで送ってください。
問い合わせは、健保連事務局・辰巳(06-4795-5522)へ。