広報誌「かけはし」
■2002年5月 No.368
投稿 言わしてんか!聞いてんか!
   
●―患者本位の診療へ―医療機関に情報公開を義務づけよう 
   今年度の医療制度改革の一つとして医療機関の広告規制緩和が取り上げられた。今日本では、社会制度のあらゆる面への構造改革、規制緩和が進展しているが、医療分野はまだまだ不可侵で不透明な世界である。
 全国で毎日多くの医療事故が発生している、病院と医療にかかわる公的機関は共に基本情報の提供だけに止まらず、それぞれの得意とする診療分野、診療実績、管理体制、過去に医療ミスがあったならその事実と対応などを偽りなくできる限りオープンにし、患者に医療機関選択の機会を広く与えるべきである。
 また患者も医療に対して意識改革すべきである。自己責任で医療機関を選択し、立場は違えども患者と医師は対等であるという考えをもち、提供される診療内容で疑問に感じるところはよく問い、自分の考えも述べるなど賢い患者にならなければならない。
 健保連でも「病院情報の提供についての調査・研究」を進められているが、是非この情報公開の構築にむけイニシアチブを取ってもらいたい。
 健保組合も被保険者と家族に対してあるべき医療・診療のあり方を広く指導宣伝することが必要だ。
(第4地区 I・K)
   
●医は仁術である
   健保の仕事を始めてから、2年目を終えようとしている。実務担当者として理不尽な、矛盾を生じるような医療システムにあきれかえっているのは、私だけでしょうか。
 総医療費が年間30兆円を超え、政府は抜本的な改革をまたも先送りにし、小手先の法改正でお茶を濁し、安直な手法で医療費の抑制に乗り出した。重要なことは、不必要な検査・投薬など「無駄遣い」を抑制することであり、必要な医療費を制限することではない。そしてなによりも、まずは医師・歯科医師・柔道整復師などの医療等に携わる”先生方“の質を高めることであると思う。205円ルール・R幅・特許のついた新薬などなどを上手に活用され患者さんに大層喜ばれているお医者さん、窓口負担の1円・10円の位をラウンドし徴収して医療費支給申請書では1円まできっちり計算して請求してくる柔道整復師さん、もう一度初心にかえり「医は仁術である」を思い出してください。
 私たち患者も、明細付きの領収書を貰い医療費のお知らせと照合する、医療機関に競争を促すための規制緩和で医療の水準が広告可能になれば、質の高い医療を提供出来る医療機関を選ぶなどの自己防衛も必要ではないでしょうか。
 いずれにしましても、良識ある質の高い医療提供を望んでやみません。
(第5地区 A・M)
 
●不合理な制度見直しを!!
   健康保険組合事業運営に携わっていて不可解に思うことは、「喪失後給付」の存在です。国民皆保険のなかにあって、この制度が果たして健康保険制度の効果的運用と言えるのかどうか、疑問です。
 一例をあげれば、当組合の被保険者資格喪失後、国保に加入して半年以内に出産した場合、本人が国保窓口へ申請すると、受給資格があるので以前に加入していた健保組合に申請するように説明されて、当組合へ連絡してくることが最近多くなっています。
 これは被保険者サービスを無視した単なる給付の付回し、もっと言えば財政対策と勘ぐりたくなります。幸いというか当然というか、平成15年度から本人負担3割の一元化のもと、療養給付等の現物給付は実質廃止の方向で法律改正が検討されているようですが、財政対策に振り回されている健保組合としてはこれを是非、現金給付まで拡大されることを期待します。
(第6地区 K・M)
 
投稿規定
「言わしてんか!聞いてんか!」
500字以内。手書き、ワープロ自由。見出しも付けてください。原稿を添削する場合があります。
イラスト、写真も歓迎します。
原則として、投稿者の「所属組合名と実名」を掲載。匿名希望(イニシャル)の場合も、原稿には「所属組合名と実名」を明記してください。
原稿は地区会の広報委員へFAXで送ってください。
問い合わせは、健保連事務局・辰巳(06-4795-5522)へ。