広報誌「かけはし」
■2002年3月 No.366
時評
●指定組合は解散か
   平成9年―12年そして14年度と追い求めてきた改革の見えた中身は、「14年度の財政効果は期待薄―冬の時代に耐え、次のステップへ望みをつなごう―」と健保連本部が発表する結果となってしまった。
 個々の健保組合にとってはそんな悠長なことを言っている余裕はない。リストラは進み、被保険者数は減少するばかり、標準報酬額も春闘に見られるように、ベースアップどころか雇用を守ることだけに精一杯の状態で財政赤字が3年続き保険料率が上限近くまでいっている組合や、設立基準の被保険者数を下回った指定組合はどうしろと言うのか。
 このままでは今後益々増えるであろう指定組合は解散するしかないのか。積立金を取り崩したり保険料率を上げられる余裕のある組合はまだしも、現下の経済情勢では事業主に料率アップを受け入れるだけの体力があるかどうか気になるところだ。
   
●諸悪の根源は拠出金にあり
   「諸悪の根源は老人保健拠出金制度にあり」は誰の眼にも明らか。健保連本部は組合健保の健全な運営ができるよう「老人保健拠出金を廃止して新たな老人保険制度」を創設することを他のあらゆる課題に優先して実行すべきだ。
 このような状況では、14年度の予算作成はむなしくあきらめにも似たものになってしまった。
 いずれにしろ拠出金が保険料収入の50%以上という異常事態では組合健保はまさに拠出金を支払うために存在する徴収機関と化している。14年度に決まった診療報酬の2・7%の切り下げもふたを開けてみないとどうなるのかわからないもので、果たして健保組合にとって財政効果の妙薬になりえるだろうか。
   
●かけ声ばかりか抜本改革
   言い古された呪文のように、「抜本改革、抜本改革…」と言って久しい昨日今日。一日も早い実現を期待しながら当面する諸問題を本当に解決するためには同志と協力してことに当たっていくしかない。
 時の経過と共に「一元化」という最悪のシナリオへ一歩一歩近づいているような感がしてならない。
  (正)