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●一元化は流れに逆行 |
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現在、さまざまの分野で変革が求められ、わが国のリーダー・小泉首相は「変革なくして成長なし」の旗印を掲げて取り組んでいる。具体的には、金融・道路・郵政など国の基幹産業の民営化を進めようとしている。
この考え方は、中央集権から地方分権へ、そして民営化への移行である。国のいろいろな規制を外して、物事を合理的・効率的に進められるところに任せていこうとしている。これは、21世紀の新たな社会制度を再構築する上で正しい理念であると思う。
それでは目を転じて、わが国の健康保険制度はどうだろう。
政府のやろうとしていることは、まず、被用者保険制度(組合健保・政管健保)の統合、次に地域保険(国民健保)との統合一本化、すなわち、全制度の一元化である。
これは、小泉首相がめざす流れに逆行しているのではないか。むしろ、これからは政管健保や国民健保のような効率的管理が困難な大きなグループを適正規模にして、自助努力の働く健保組合方式(民活導入)の拡大をめざすべきではないかと思う。もちろん、各論になればいろいろな問題やデメリットも当然あるが、大筋では、この考え方が正しいのではないかと思っている。
一元化を、目先の財政調整や制度の分かりやすさなどの安易な考え方のみで進めるとしたら、将来に大きな禍根を残すのではないか。
今後は、組合健保を守るという小さな立場からではなく、国の健康保険制度には、組合健保方式が最もふさわしいという我々の主張を、堂々と述べて論破していかねばならない。
そのためには、健保連にお任せではなく、全国の健保組合員一人ひとりが一層研鑽し、しっかりした理論武装をして積極的に論議に参加すべきであろう。 (松下電器 越後正紀)
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●健康は自己責任 |
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医療制度改革は、われわれの期待とほど遠い内容のまま大詰めを迎えようとしている。
国民皆保険制度によって、低負担で高度な医療が受けられ、病気になっても安心できる生活がすべての国民に保証されている。年金制度によって老後の収入の安定も保証されている。
このように安心して暮らせる社会システムがいま破たんの危機を迎えている中で、国民一人ひとりが危機感を共有しているのか、はなはだ疑問である。それぞれの立場でしか考えていないように思える。国民すべてが同じ土俵に上がって真剣に考えるべきだ。
一方で、各個人がそれぞれの立場から考え、取り組むべき課題もある。公的制度だけに頼らない自己防衛策である。自己防衛で最も重要なのは自分が健康であることだ。健康で、医者にかかりさえしなければ、医療保険制度が不十分でもそれほど不自由しないわけだ。
そして多くの国民の健康が増進し、医療費全体が抑制されれば、その結果として医療保険制度の正常化につながることになる。食事・睡眠・運動など適切な生活習慣を身につけ、健康を増進することは国民一人ひとりの責務といえる。
(ニッセイ同和損保 升田 俊幸) |
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●どこまで続く…… |
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この”業界“に入って早や3年になる。企業戦士としてのそれまでの仕事は、絶えず他社との競争であったが、この”業界“ではそれがないのが救いだ。
各組合との情報交換で助け合い、人間関係はいたって良い。ただ昨今各組合とも財政悪化で、その情報交換も最後にはぼやき合い―互いの傷の舐め合いになるのだが。昔の常務理事は、こんな心配をしなくてさぞ良かったろうと羨ましい限りだ。
当組合もこのままいくと連続4年の赤字決算となりそうだ。世間には「入るを量りて出ずるを制す」ということばがあるが、組合財政には拠出金という怪物がいて、支出は全く制御できない。これも老人医療を中心とする医療費に歯止めがかからないからだろう。今回の医療制度改革でも医療費伸び率抑制システムが骨抜きにされた。
日本人の平均寿命が、世界一になったのは、世界一の一人当たりGDPによる物質生活水準と莫大な国費を医療に投入した結果ということだが、国の活力・経済力がいつまで維持できるかにかかっている。
国民皆保険制度のもとですべての国民が最良の医療を享受できる体制がいつまで維持できるのか疑問だ。 (第3地区 M・H) |
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投稿規定
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「言わしてんか!聞いてんか!」
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500字以内。手書き、ワープロ自由。見出しも付けてください。原稿を添削する場合があります。 |
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イラスト、写真も歓迎します。 |
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原則として、投稿者の「所属組合名と実名」を掲載。匿名希望(イニシャル)の場合も、原稿には「所属組合名と実名」を明記してください。 |
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原稿は地区会の広報委員へFAXで送ってください。 |
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問い合わせは、健保連事務局・大西(06-4795-5522)へ。 |
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