広報誌「かけはし」
■2002年2月 No.365

 生活習慣病は、その名前のとおり、生活習慣の影響をうけて発症したり、進行したりする病気の総称です(高血圧・高脂血症・糖尿病・高尿酸血症(痛風)・心臓病・肝臓病・脳血管障害・がんなどです)。生活習慣病対策の実際を紹介します。  
大阪中央病院
健康管理センター
宮本 眞由美氏

●健康診断は健康管理の情報源
  @病気を早期に発見するため、年に1回は必ず健康診断を受けましょう。A異常を指摘された時は、必ず医療機関で精密検査を受けましょう。B健康診断結果を保管し、経年的変化をチェックしましょう。正常範囲のなかでも検査値が上昇していれば要注意です。C健診で異常なしでも、「全く問題なし」と保証されたわけではありません。自覚症状のある時は次回の健診を待たずに医療機関で受診しましょう。

●健診結果のワースト6は何?
   肥満度・血圧・血清脂質・血糖・肝障害・尿酸です。肥満・高血圧・高脂血症・糖尿病の4つがそろうと、死の四重奏といわれ動脈硬化が進みやすく、特に注意が必要です。健診結果ワースト6改善への鍵を参考に生活習慣を改善しましょう。
●生活習慣改善のポイント
   生活習慣(食事・喫煙・飲酒・運動・休養)の中でも、適正な食習慣と運動による体重のコントロールと、禁煙が重要です。
【食事】
  自分の標準体重を知り日々の活動に見合った食事量をとりましょう。食べ過ぎていないか、市販のカロリーブックを活用してチェックしてみませんか。[適正食事量=標準体重×労働強度(軽度25〜30・中等度30〜35・強度35〜40)]
 また、食事時間は1日3食規則正しくとる、ゆっくりよくかんで食べるなどの食習慣も大切です。
【運動】
  息が少しはずむ程度のニコニコペースの早歩きがおすすめです。自分の体調にあわせて1日30分を目標に歩いてみませんか。毎日行うことが無理な方は、こまめに体を動かし、週に2〜3回まとまった運動をするように心がけましょう。運動は継続することが大切です。なお、運動を始める前はメディカルチェックを受けましょう。
【禁煙】
  1日20本の喫煙で1年間に吸い込むタールの量はコップ1杯分位です。タバコはがんをはじめとする様々な病気をひきおこす要因です。禁煙によるイライラを解消するリラックス方法を工夫しましょう(口淋しさを紛らす代用品を使う、水・お茶など水分をたくさんとる、深呼吸をする、気分転換に体を動かす、ニコチン補助剤(パッチ・ガム)の使用、インターネットで禁煙仲間と励ましあう)。

●できることからはじめましょう
   21世紀はセルフケアの時代です。発病要因(外部環境要因:原体・有害物質・事故・ストレス。内部要因:遺伝異常・年齢など。生活習慣要因)の内、自分でできる、自分でしかできないもの、それは生活習慣の改善です。生活習慣を見直して、少しずつ気長に改善していきましょう。