広報誌「かけはし」
■2002年1月 No.364
投稿 言わしてんか!聞いてんか!
   
●医療費の一部積み残し予算
   当組合も平成13年はご多分にもれず大幅な赤字である。
 その原因は言うまでもなく拠出金の増加であり、それはもとより高齢者の医療費の増加と拠出金制度の仕組みそのものにある。保険料収入に占める割合は、なんと47・92%となっているが、単年度での収支均衡を図るには、保険料率を97‰以上に設定する必要がある。
 本来保険制度というものは、保険料と保険給付は相互関係にあるものと考えるが、それに見合う保険料率の設定が不可能な状態にあり、そのうえ平成13年度予算では9割の組合が赤字という現状では、あきらかに制度の欠陥であると思う。そのためにも医療保険制度の改革が急務である事はいうまでもない。
 政府・与党社会保障改革協議会の医療制度改革大綱が出たものの、なんとも期待外れで当組合では平成14年度は特に介護保険への移行が遅れたことに関連して拠出金増加が見こまれるなか、医療費の支払いが出来ないことが予想される。
 政府管掌健康保険では、平成14年度は7、280億円も赤字といわれているにもかかわらず、保険料率引き上げは行わず、平成15年度から総報酬制による保険料率設定により、一挙に挽回とでもお考えだろうか。
 当組合では政府管掌健康保険以上の保険料率引き上げが難しい状況の中、国の財政支援がない限り、正常な予算編成は出来ない。それとも14年度は医療費積み残しでの予算編成として、15年度以降にその未払い分を併せての保険料率設定を許されてもよいのではないだろうか。それがだめなら真の抜本改革を実現してもらいたいものである。
(第4地区 H・K)
   
●一言!
   変人と評されている小泉首相の登場は、今までと違う政治スタイルであり、今度こそ医療保険制度抜本改革を実現できるものと大きな期待をしていました。
 しかしながら抜本改革とは名ばかりで毎度ながらの結末をむかえようとしている。「もっとしっかりやってもらわな!」と声をあげたいが、その気力さえしぼんでしまいました。
 11月末に決定された政府・与党の医療制度改革大綱は新聞紙上での報道も「三方一両損に値しない」「構造改革とは言い難い」などと酷評されております。
 しかしながらこのように改革大綱に対し多く批判がありながら、我々の主張が反映されないのは何ともやりきれない。
 今、深刻な不況の時代です。私どもの業界も同様であり、残念ながら日本経済不況の元凶であるとささやかれている業界でもあります。
 当然ながら当健康保険組合も財政悪化の一途をたどっています。財政健全化のため保険料の引き上げ、保健事業の見直し等、財政努力に一生懸命取り組んできました。
 しかし、もう限界になりつつあり、非常に厳しい状況です。抜本改革はもはや待ったなしである。望まれるのは被保険者、被扶養者の方々が、安心して治療を受けられるような制度の構築であり、それはまさしく、保険者が本来の姿で組合運営できる制度であることは言うまでもありません。
(第5地区 K・H)
 
●真の問題点
  方はどこへ。9月に出された「厚生労働省試案」から、今回の政府・与党社会保障改革協議会「大綱」へ。骨抜きにされた結論を見ると、何やら別のものが見えてくる。
 族議員はすべて彼方に選挙のための日医を見据え、最初から着地点ばかりを模索し、方法論に終始する。診療報酬の引き下げひとつとっても、ウヤムヤにしてしまう力を持ち合わす。これでほんとうに国民の利益を考えているのか、はなはだ疑問である。
 真の問題点を解決しないで、改革論議はないのではないか。私たちはともすると、身近な現象を捉えて即「問題」とすることが多い。そして捉え方を間違えたまま「対策協議」に入ることは危険である。その意味からも、今回の医療制度改革は骨抜き状態といわざるを得ない。
 健保連の唱える「実効性のある医療費抑制の実施」「拠出金の廃止と持続性のある高齢者医療制度の構築」「患者中心の医療の実現」「効率的で自立した保険者を基盤とする制度の確立」は、まだまだ遠い道のりでもある。
 いずれにしても、医療機関側の論議が先行し、支払い側の論議はどこへいったのか。
(第6地区 Y・T)
 
投稿規定
「言わしてんか!聞いてんか!」
500字以内。手書き、ワープロ自由。見出しも付けてください。原稿を添削する場合があります。
イラスト、写真も歓迎します。
原則として、投稿者の「所属組合名と実名」を掲載。匿名希望(イニシャル)の場合も、原稿には「所属組合名と実名」を明記してください。
原稿は地区会の広報委員へFAXで送ってください。
問い合わせは、健保連事務局・大西(06-4795-5522)へ。