健康保険法は大正11年4月に公布され、昭和2年1月に全面施行されましたが、当初、一部負担制は取り入れられていませんでした。
昭和17年の法改正で一部負担制が定額制で実施となります。(例えば、手術1回につき10銭、外用薬1剤につき5銭など)
戦後の昭和23年に一部負担制は一旦廃止になり、昭和24年に再度実施となります。このときは、初診料の額に相当する額を負担するとされました。
昭和32年には、一部負担金の額が初診時100円、入院時1日につき30円となります。
昭和42年には、臨時特例法で、初診200円、入院時1日につき60円となったほか、薬剤1剤1日分ごと15円の負担が加わりました。これは2年間の時限立法でしたが、昭和44年の法改正で、薬剤一部負担を除き法制化され、昭和52年と55年にはそれぞれの額の引き上げがあります。
昭和59年には、抜本改正と言われて、これまでの定額制から定率制に変わります。このとき、被保険者本人の負担は2割という原案が、政治決着で1割とされ、いわゆる本則2割、実施は1割となったものです。
平成9年になって、はじめて本則通り2割負担となるとともに、薬剤の一部負担が導入されました。(実施は同年9月)
そして、今回の3割負担が打ち出されることになったものですが、またまた政治決着で実施時期は「必要な時期」と不透明になっています。
なお、家族療養費については、昭和15年に家族給付が創設され、昭和17年から昭和48年まで5割給付(5割負担)が続きます。昭和48年の法改正で7割給付(3割負担)に、昭和55年になって入院時のみ8割給付(2割負担)になり、平成9年に薬剤一部負担が加わって今日に至っています。
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