広報誌「かけはし」
■2001年12月 No.363
時評
●塩川財務大臣殿 ―「四方一両得」の塩川裁きを―
   塩川大臣に再び陳情中
   戦後、大阪から出た初めての財務大臣が塩川正十郎である。
 聖域なき構造改革で景気回復し、21世紀の日本再建の旗振り役の小泉首相を支えているのが塩爺である。
 8月の盆過ぎ帰阪中の塩川大臣に大阪連合会として、岡澤会長を筆頭に幹部が揃って陳情。そして本部の緊急要請で大詰めを迎えた11月25日に再び東大阪の自宅で陳情した。
 第一に老人保健拠出金を廃止して高齢者医療制度の創設、第二に総額抑制、第三に社会保険方式の堅持、第四に14年度予算で財窮組合等の助成を強く訴えた。
 9月25日の厚労省の試案をめぐって各団体の意見を聴取し、政府・与党改革協議会、経済財政諮問会議で緊迫した大詰めの論議が現在進められている。本号発行の時には戦いは終わっているかも。
 昨年末の健保組合全国大会では、初めて日本医師会、国保中央会の代表が参加し、14年度改革に向けて、天下分け目でなく、歩み寄りの歴史的な大会からちょうど1年が経過した。
 年が明け、行政改革で経済財政諮問会議が発足し民間代表も入り、首相主導の下に骨太の予算の枠組みが示された。マスコミの応援もあり、大いに医療改革の希望がもてた前半だった。
 健保連としても改革プロジェクト会議を中心に従来にない精力的な取り組みで、大阪連合会も積極的に提言し参画して今日を迎えている。
 健保連の存亡の危機!待ったなしである。
 ところが、秋も深まり師走を迎え、第三コーナーを回り、ゴール直前になって日本医師会の圧力で政府・与党改革協議会がもたついた。担当の厚労省の坂口大臣までが腰がひけているとの報道がなされている。
   
   小泉首相頑張れ!塩爺たのんまっせ!
   今や国民の80%台の高支持を受けている小泉首相が頼りである。小泉首相頑張れ!それを支えている塩爺たのんまっせ!そして坂口大臣しっかりしろ!だ。最後は踏んばってくれると期待している。
 大岡越前守が三方一両損の裁きをした例えが医療改革で言われている。京都太秦映画村で「千年の恋ひかる源氏物語」のスタジオを見学したとき、手に入れた一両の小判4枚を塩川大臣に見せた。
   
   四方一両得のプラス思考で
   「これは小判3両と1両です」「本物か」「そうです。時代劇で使っている本物です」と。「三方として、患者、医療機関、保険者となっているが国がぬけています。国も特殊法人改革や税制改正で一両出して、四方が一両得になる塩川裁きをお願いしたい」と訴えた。「これは面白い」とニヤッとされた。
 近江商人は買手良し、売手良し、世間良しで三方良しのプラス思考である。マイナス思考でなく国も公費を出して、一時的には四者四泣きでも将来に向かって、四方一両得になるよう、千年の恋ならぬ、健保連ひいては国民の医療と健康に対する永年の恋が実現できることを祈っている。
  (光源氏)