広報誌「かけはし」
■2001年12月 No.363


茨木府民健康プラザ
  管理栄養士
    白石 啓子

 ハンバーガー、フライドチキン、持ち帰り弁当、すし、サンドイッチ、ドーナツなどいわゆるファーストフードは、それぞれ特徴がありますが、手頃な値段で手軽に食べられ、消化吸収の早い食事として重宝です。
 今回はファーストフードを健康に配慮しながら上手に利用する方法について考えてみましょう。
 ここ数年コンビニの普及により、手軽にテイクアウト食品が手に入るようになりました。ファーストフード業界は、価格競争の激化で平日にはついに100円玉1つで買えるハンバーガー店も出現しました。また最近は、消費者の多様なニーズに応えるため、各店競ってサイドメニューの開発に努めており、ヘルシーな組み合わせも提供されるようになりました。
 そこで、私もファーストフードに挑戦! お店の人に売れ筋を聞くと、「フィッシュバーガーがよく出ます」とのこと。サイドメニューの野菜スープを追加注文し、食べ始めましたが、マヨネーズやケチャップで口の周りがベタベタ…。
 今、私たちの食生活は…
   さて、先月厚生労働省は、平成12年の国民栄養調査の結果を発表しました。注目すべき主な項目として、◆気になるのが男性の肥満で、30〜60歳代で約3割が太りすぎています。◆女性は逆に痩せすぎの人が20〜30歳代で増加しています。◆栄養や食事については「まったく考えない」または「あまり考えない」人は、若年層では男女とも4〜5割と高率で、中高年層でも男性は3割います。◆外食を利用する人は20〜59歳の男性が高く、約3割が「ほとんど毎日1回以上」利用し、男女とも、外食頻度が高いほど野菜の摂取量が少ない傾向にあります。◆国民の栄養状況は、脂肪と塩分をとり過ぎており、野菜とカルシウムが不足しているという結果です。

 ファーストフードを上手に利用するには
@自分の1日に必要な栄養量を知りましょう。
  (栄養量は「かけはしbR59ファミレス編」を参考に)
 外食だけで栄養バランスのよい食事をとるのは難しいので、1日単位でコントロールすることをお勧めします。
 例えば、昼食にハンバーガー、フライドポテト、コーヒーの場合、夕食には魚料理と野菜の煮物など和風献立を、翌朝は牛乳や卵、果物などを組み合わせるなど3食で栄養バランスを考えましょう。
   
A栄養成分表示を参考にし、エネルギーの適量摂取
 
B自分の健康・嗜好にあったオリジナル・オーダーを。
   汁気の少ないハンバーガーなどは食べやすくするために油が調味料としてたっぷり使われているものが多く、ついついとり過ぎてしまいます。「マヨネーズやケチャップは少な目に!」「野菜のドレッシングは控えて!」などヘルシーオーダーをしましょう。
   
C低カロリー、ノンカロリーの飲み物をセットに。
   
Dサイドメニューも上手に利用を。
   野菜サラダや野菜スープなどヘルシーなメニューがあれば組み合わせましょう。適当な組み合わせがない場合は無理に選ばずに、次の食事で不足分を補うようにしましょう。
   
E夜食はとらないで!
   深夜の高カロリー食品のとり過ぎは、内臓まわりに体脂肪の蓄積を招き、深く静かに生活習慣病が忍び寄ってきます。くれぐれもご用心!

夕食で野菜をたっぷりとるには
〜メニューにこれくらい〜