広報誌「かけはし」
■2001年11月 No.362
投稿 言わしてんか!聞いてんか!
   
●一方三両損
   厚生労働省が9月末発表した「医療制度改革試案」は相変わらず給付率引き下げや保険料引き上げなど加入者負担増の財政対策が中心になっています。肝心の医療費抑制策はあいまいで有効に機能するかどうか疑問です。
 また老健拠出金制度が温存され、医療保険制度改革の基本方向として一元化を示唆する内容が盛り込まれているなど健保組合として見逃せない問題を含んでいて、抜本改革とはほど遠いものです。
 医療費の抑制は中途半端で尻拭いは患者負担に転嫁、拠出金は歯止め無しで事業主や被保険者の負担増は青天井、その上制度一元化まで押し付けようとする試案は「三方一両損」どころか「一方三両損」です。
 拠出金制度を廃止しないのは、今後も増加が確実な老人医療費の財源調達には拠出金が一番楽な手段だからでしょう。
 ことによると健保組合を拠出金で兵糧攻め(ひょうろうぜめ)にして一元化に追い込む高等戦術なのかもしれません。
 試案がこのまままかり通ったら大変、健保組合生き残りを賭けて、拠出金廃止・医療費抑制・一元化阻止に取り組みましょう。
(第4地区 S・K)
   
●保険者機能の強化と言うけれど…
   医療情報の開示、医療機関の選択が十分行えるような時代が果たして来るのか、はなはだ疑問に思う。こんな心配をするのは私だけだろうか。病院通いをするお年寄りにとっては、まさに語らいの場・憩いの場になっているのが現実である。働くサラリーマンにとっては、病気になったりけがをした時、その時点で最適の医療機関を選ぶだけの時間、余裕あるいは情報があるや否や、ほとんど無いのが、これまた現実である。いつの時代にも、どの世界にも理想と現実がある。そのギャップをいかにして埋めるのか、こと医療に関しては利益が相反するだけに難しかろう。
 ただ、日頃から「外科は○○、内科は△△」と言うように、行きつけの医療機関をつくっておくこと。それらのデータを手許に整理しておくことが自衛の手段か。今の世の中、パソコン時代、アクセスすれば適切な医療機関が見つかるようになるのか、医療の現場では何よりも信頼関係が大切と思う。心配の種は尽きない。
 健保連が中心となって医療相談ネットワークが出来ること。健保組合と医療機関との直接契約により診療報酬の割引が可能になること。各々の被保険者が安心して、しかも適切な診療費で医者にかかれることを心より願う毎日である。”保険者機能の強化を今こそ“
(第5地区 M・N)
 
●ぼやき放題
  世界を震撼とさせた米国での「同時多発テロ」が発生、その1カ月後、「85健保が指定組合に」の非情なニュース。大きなショックを覚えた。最も多い中に大阪が、「なるほど」医療費の高いという裏付けか。当方も次の指定には覚悟も必要か。
 「医療制度改革」、現行の枠組みではいくら議論しても「健保の崩壊」しかない。97年に本人の医療費を1割から2割に改定時も、3年で赤字にとの予想が、現実はそれ以上に悪化、3割にしてどうなる。
 改革議論の中で薬価の見直し案が提示されたとか、欧米ではすでに新薬と経済的なジェネリック医薬品(新薬特許切れ後の後発品)が半分を占め、医療費が効率的に活用されているとか。それが日本では1割程度だそうだ。「なんでやねん」。
 健保組合の保険料は会社の負担率が高いから有利という。会社というのは誰のこと。社会保険料は労務費や福利厚生費の総枠の中、保険料が増加すれば報酬を圧迫するという真理。全額従業員の負担みたいなもんやないか。報酬が低いと95の枠まで到達もはやい。介護保険の導入で老健拠出金の軽減を期待したが、間違いやったか。
 10月第3日曜日は「孫の日」、誰の財布が狙われているのか。ほんまにしんどいのは現役の働き盛り、「青年保健拠出金」というのを新設したら。
(第6地区 H・N)
 
投稿規定
「言わしてんか!聞いてんか!」
500字以内。手書き、ワープロ自由。見出しも付けてください。原稿を添削する場合があります。
イラスト、写真も歓迎します。
原則として、投稿者の「所属組合名と実名」を掲載。匿名希望(イニシャル)の場合も、原稿には「所属組合名と実名」を明記してください。
原稿は地区会の広報委員へFAXで送ってください。
問い合わせは、健保連事務局・大西(06-4795-5522)へ。