広報誌「かけはし」
■2001年10月 No.361
投稿 言わしてんか!聞いてんか!
   
●どうにもできない退職者給付拠出金
   当健保の退職者給付拠出金が、今年度は前年度より11%も増えた。被保険者の減少、標準報酬、保険料のダウンのなかで、金額にすれば180万円だが小規模組合にとっては大幅増である。
 老人保健の場合、社会的入院等については関係者と接触し医療費の節減に努め、拠出金の負担を少なくする等それなりの効果が得られるが、退職者給付拠出金にはそれがない。
 組合会等で、よく「老人保健拠出金は、年度により増額、減額があるが、退職者給付拠出金は増額ばかりで減額がないのはどうしてか」と質問される。そのときは、「市町村からの拠出金対象額の見込額が増額になれば、標準報酬の見込額が横ばいであっても、拠出率が高くなり負担が増える。要は、市町村の医療費節減努力の結果が、健保財政にも波及する」と説明している。
 それにしても、平成13年度の概算拠出率は高率である。対前年上昇率は12・8%にもなっている。
 現在のように、退職者医療が国民健康保険法のなかに埋没していては、市町村も一般と区別して料率の変更は難しい。やはり国民健康保険制度から切り離し一つの法律にすべきと思う。
 いま、高齢者医療対策が叫ばれており、その中で抜本的に改革しなければいけないが、財源については現役の若年層にも納得のいくものでなければならない。
 とにかく概算拠出率のさじ加減によって、当健保は保険料収入の10%強を拠出している。
 「あーやんなっちゃった」
(太陽鉄工・小見)
   
●あるべき姿の保険制度に
   老人保健・退職者給付の両拠出金がわが健保組合の保険料収入に占める割合は、平成11年度が約60%、平成12年度が約45%、平成13年度は予算の50%強となっています。両拠出金がわが健保組合の財政ひっ迫の大きな原因であることはいうまでもありません。
 健康保険制度の目的である保険料を支払った人(被扶養者を含む)への保険給付のほか、第3者分が多分に含まれている拠出金支払い額が増え、まるで廂を貸して母屋をとられるようなありさまだ。
 「保険」という言葉を辞書で引くと『加入者からふだん一定の料金(保険料)を集め、事故が起こったときに約束の金(保険金)を支払う仕組み』とあります。
 また、健康保険制度の目的を規定している健康保険法には『健康保険に於ては保険者が被保険者(…略…)の業務外の事由に因る疾病、負傷若しくは死亡又は分娩に関し保険給付を為し併せて其の被扶養者の疾病、負傷、死亡又は分娩に関し保険給付を為すものとす』とあります。
 抜本改革により、本来あるべき姿の保険制度を1日も早く取り戻してほしいものです。このままの状態が続けば、財政ひっ迫組合であるわが組合は解散しか道が残されていません。われわれの組合が、職場が、なくなってしまいます。
(第2地区 T・Y)
 
●リーダーシップ!
   混迷と経済不況にあえぐ我が日本丸!ライオンヘアーのたまう「改革なくして景気回復なし」この心地よい(?)響きに酔いしれど、未だ姿も見えず、痛みだけが先行し、一向に回復の兆しが見えてこない。
 医療制度改革もしかりである。改革の本質については、すでに、論議しつくされ、問題の所在も明らかにされてきているはずである。にもかかわらず、これまで幾度かのチャンスも見送られ、問題を先送りされてきた。これもリーダー不在がためのものではないだろうか?
 言うまでもなく、医療制度改革は待ったなしである。政局も、これから来年度予算編成に向け、いよいよ改革本番に突入する。厚生労働省も近く改革案のたたき台を示す(この原稿が載るころには出てるかも?)と意気込んでいる。言わばメニューも出つくすわけで、これから来年4月実施に向け、このメニューをどう料理するかという段階に入ってくる。
 「三方一両損」を基本にと
”痛み“を享受することが如何にも美徳のごとく流布されてきているが、今度こそ、これまでのような負担増と給付の引き下げによる単なる財政対策では済まされない。問題は、これまでの轍を踏まず改革の本質にどこまで踏み込めるかである。
 ちまたでは、抜本改革は継続課題となるとの弱音も聞こえてくる。健保連には、このような弱音に惑わされることなく自らの主張は主張とし、一方で、聞く耳を持ち、また、近視眼的になることもなく、今こそ、支払い者側の代表として、改革実現に向け、強い決意でリーダーシップを発揮して欲しいと願うものである。
 「制度の再構築なくして真の改革なし」ということを肝に命じ。頑張れ、健保連!
(第3地区 S・K)
 
投稿規定
「言わしてんか!聞いてんか!」
500字以内。手書き、ワープロ自由。見出しも付けてください。原稿を添削する場合があります。
イラスト、写真も歓迎します。
原則として、投稿者の「所属組合名と実名」を掲載。匿名希望(イニシャル)の場合も、原稿には「所属組合名と実名」を明記してください。
原稿は地区会の広報委員へFAXで送ってください。
問い合わせは、健保連事務局・大西(06-4795-5522)へ。