広報誌「かけはし」
■2001年9月 No.360
投稿 言わしてんか!聞いてんか!
   
●薬剤205円ルールの怪
   先般、毎日新聞が「水増し請求の横行か」という見出しで、205円以下の薬剤が年間外来薬剤費、3兆7千億円の約半分近い金額で、不正の温床になっていると報じた。
 この記事を読んで一般の国民は、どう思ったでしょうか。
 現在、健保組合などの医療保険は、財政が非常に窮迫し、大部分の健保組合が赤字予算を組み、保険料率の引き上げなどやりくりに四苦八苦し医療費を少しでも減らそうと努力している時です。このルールは昭和51年頃から始まっているそうですが、私は1日分の薬価が50円であれば5点で、100円であれば10点で請求しているものと思っていましたが、205円で請求されているものが相当あるとか。
 レセプトで、実際購入薬価で請求されていたとしても、投薬の銘柄、薬価も不明のまま医療費を支払うシステムは、不正の温床といわれてもしかたがありません。このルールが、出来た当時は、現在ほどコンピューターが普及しておらず、事務の簡素化という観点から少しは理解できますが、今まさに「IT」化の時代、小学生でもパソコンを使う時代です。請求レセプトを見ても、手書きのレセプトは殆どありません。パソコンで処理すれば、事務の煩雑にはならないと思う。どうして現在もこのルールが続いているのか不思議でしかたがありません。  (丸紅連合 伏屋隆)
   
●支払基金に民間活力を
   政府の総合規制改革会議が規制緩和の「中間とりまとめ」を発表した。
 それによると、医療分野では、特殊法人の支払基金が独占しているレセプト審査業務を、効率性、不透明などの面で問題が多いと判断され、基金を介さずに健保組合自らが直接審査したり、民間事業者に審査を委託できるようにすべきだとし、民間に開放するよう提言している。
 問題は、事務手数料を1枚118円20銭も納めながら、レセプトが十分な審査もなしで請求されてくることにある。
 当組合でも、518万円のレセプトを診療内容の疑義で再審査依頼したところ314万円に減額され204万円の調整を受けたが、どんな原審査がなされたのか理解に苦しむ。また、資格関係の誤りも一向に減らない。発生の多い医療機関には、被保険者証確認の周知徹底を指導願いたい。
 次に医療費・拠出金の支払いだが、月2回職員が銀行に出向いて支払い手続きを行っている。当組合はパソコンで送金しているので、時間ロスと手間を考え指定口座に振込みできないか相談した。
 基金からは、指定納付書で確認を行っているのでできないとの回答であったが、もっと柔軟に対応できないものか疑問を持つ。
 民間活力を導入して、適性審査や業務の効率化を進めることに賛同する。
 (第5地区 S・Y)
 
●「自助努力」にも限界が…
  ―とある総合病院外来待合室、午前7時過ぎというのに、既にたくさんの人、それも元気そうな(?)おじいちゃん、おばあちゃんで一杯。で、そこで聞こえてきた会話。「○○さんは、今朝はきてはらへんけど、どうしたん?」「○○さんやったら、今日は病気で休み…」そして、昼前に帰るときには、両手一杯の薬の山(??)。―
 落語のネタにもなっている話であるが、あらためて高齢者医療費が年率約8%の凄まじい勢いで伸びている現実を再認識するとともに、いくら「自助努力」で頑張っても、拠出金で吸い上げられ、そのお金がいとも簡単に目の前の医療費や薬に変わって消えていく現実に大きな憤りを感じ、どうしても納得がいきません。(高齢者医療費抑制のため、早く上限なしの1割負担に!)
 わが健保組合も、年々増加する老人保健等拠出金の負担増により、厳しい財政運営を強いられており、これ以上の赤字には耐えられず、従来から行っていた保健事業の見直し、レセプト点検強化、事務諸経費の削減等々に加え、昨年度は、被保険者(被扶養者)の「なみだ、なみだの中」、特別保険料の徴収、全保養所の閉鎖、附加給付の見直し等を断行し、考えられる「自助努力」は、ほとんど実施している状況です。それによりいったん、急場はしのいだものの、このままでいくと、来年度は、過去最悪の赤字が見込まれ、予算編成の事を考えると、今から夜も眠れない毎日です。
 もうこれ以上待てません。来年度の医療保険制度の抜本改革を、骨太の内容のある制度改革に…「有言実行」頼みまっせ!純ちゃん。           (第6地区 S・K)

 
投稿規定
「言わしてんか!聞いてんか!」
500字以内。手書き、ワープロ自由。見出しも付けてください。原稿を添削する場合があります。
イラスト、写真も歓迎します。
原則として、投稿者の「所属組合名と実名」を掲載。匿名希望(イニシャル)の場合も、原稿には「所属組合名と実名」を明記してください。
原稿は地区会の広報委員へFAXで送ってください。
問い合わせは、健保連事務局・大西(06-4795-5522)へ。