広報誌「かけはし」
■2001年8月 No.359
投稿 言わしてんか!聞いてんか!
   
●レセプトの病名に疑問
    平成14年度の医療保険抜本改革に向けて、関係者の協議が続けられていますが、一方、我々保険者としては、保険給付費(老人保健含む)を少しでも抑えるために、レセプトの内容についての点検の強化を痛感しているところです。
 そのレセプトですが、傷病名欄に数多くの傷病名(多いもので10種)が列記されているものがあります。
 中には10年以上も前の初診の傷病名もあって、現在では治癒して受診をしていないと思われるものも削除されずに、そのまま残されているレセプトが数多く見受けられます。
 そのため、現在治療中の傷病に、無関係な検査や投薬名が、誤ってまたは故意に記されていても、我々、医科、薬価に不精通な者が指摘できるものでもありません。
 また、再審査請求に出しても、傷病名欄に列記されている傷病名と関連あれば、ほとんど否認されると思われます。
 いま、保険者機能の強化が叫ばれていますが、医療機関や被保険者に不審な点を問いただすことができるようになれば、疑問点もすっきりすると思うのですが。
 レセプトに多くの傷病名が記載されているのは、加入者の病類別管理面でも不便ですので、当月診療した傷病名のみを記載するように徹底するのは無理な注文でしょうか、一考願いたい。       (第1地区 J・K)
   
●究極のやりくり 「病院に行くな!」
  わが健保組合の財政状況はまさに危機的状況といえます。被保険者数は減り、標準報酬も伸び悩んで保険料収入はガタ落ち。反対に、医療費や拠出金の支出は増える一方です。
 この危機的状況から脱するため私たちの健保組合はありとあらゆる努力をしてきました。保険料率は、被保険者の上限である1000分の45、事業主負担は1000分の47まで引き上げました。附加給付は廃止、外傷性疾患の全員に対し、健保が適用できるかどうかきびしくチェックしています。第3者行為の立て替え分の請求事務も徹底しています。老人保健対象者に適正な受診に協力してもらうよう依頼もしています。
 まだまだあります。支部統合によって職員5人を減らし、人件費を浮かせました。直営保養所も2カ所を閉鎖しました。
 被保険者や被扶養者が痛みを分かち合うことで、98年以降かろうじて黒字決算にこぎつけましたが、01年度にはもう限界です。別途積立金を取り崩して赤字予算を組まざるを得ない状況です。かくなるうえは、被保険者に対して「病院に行くな」と個別指導するという究極の選択(?)しか残っていません。  (東洋紡績 赤木 正芳)
 
●信じるべきか ライオンヘアーのお力?
  企業統合等を含めここ数年組合も被保険者数も減少している昨今、我々組合運営にたずさわるものとしては、平成14年度の抜本対策を待ち望んでいる。
 この原稿が「かけはし」に載る頃には、参院選も終えて、保守勢力の体制も固まっていると思うが、平成12年度で実施されるはずの改革および介護保険料率制定等、簡単に順延された実績があり、また、「大綱」に沿った議論も今秋からと聞いている。我々にとってはもう時間がない。すぐにでも次年度の構想を組まねばならない時期がくるが不安がつのるばかりだ。簡潔で響きのよい「聖域なき構造改革」の言葉に魅了され、人気の高いライオンヘアーの方の牽引力に期待するしか今の所、手は無いのだろうか?
 財政抑制のため、保健事業を絞りに絞り、スリム化しても、拠出金制度は耐えられない重みである。重みに対する治療行為は、取り除くことが一番だと思うが、ひがみでいうのではないが、現在でも、どうしても取りやすい所から取るという風に見受けられる。今回は、原資確保のために、どう痛み分けを行うかが大問題であるが、「痛みに耐えてよく頑張った。感動した」という言葉を政府を含め関連諸団体に贈れるようになりたいものだ。
(第3地区 M・T)
 
投稿規定
「言わしてんか!聞いてんか!」
500字以内。手書き、ワープロ自由。見出しも付けてください。原稿を添削する場合があります。
イラスト、写真も歓迎します。
原則として、投稿者の「所属組合名と実名」を掲載。匿名希望(イニシャル)の場合も、原稿には「所属組合名と実名」を明記してください。
原稿は地区会の広報委員へFAXで送ってください。
問い合わせは、健保連事務局・大西(06-4795-5522)へ。