 |
|
■2001年8月 No.359 |
 |
3年目にストレス調査を
企業におけるメンタルヘルスの体制づくり |
|
心の健康講座を7月24日、薬業年金会館で開催。大阪樟蔭女子大学人間科学部心理学科の夏目誠教授が講演を行いました。 |
|
※写真をクリックすると拡大写真がご覧になれます。 |
●メンタルヘルスの具体的な取り組み |

夏目 誠 教授 |
|
心も身体も健康づくりの基本はセルフケアですが、労働者個人が行うセルフケアだけでなく、管理者が部下に対して安全配慮を行うラインケアも企業におけるメンタルヘルスには大切です。
事業所におけるメンタルヘルスの具体的な取り組みを紹介すると、まず事例(1)「2000人規模の企業で保健婦さんが中心になって」(健康ケアスタッフ:保健婦1人、嘱託産業医5人・各事業所、産業衛生専門医1人)の場合、初年度に巡回健康診断を就業時間内に位置づけることを「労働安全衛生委員会」で提案・承認を得ました。 |
|
この健康診断は、心身両面からの健康相談を目的とし、800人の面談を実施。要旨を「これからの健康ケアの方向性」(総務担当者会議で提言)のなかで「職場のメンタルヘルス対策」の必要性について強調しました。そして次年度には新入社員を対象に「心身の健康ケア」についての講話時間を確保、さらにA事業所で職場単位での従業員個別面談(280人位)を行い、労働安全衛生委員会に要旨報告するとともにストレス調査の提案を行いました。
3年目にはストレス調査を実施。4年目にはメンタルヘルス教育(課長以上)等の活動を実施。メンタルケースが発生しており体制づくりの提案活動をします。この場合、企業内のどのボタン(部署)を押せば良いのかを熟知していたこと、随時報告を行っていたことが活動を継続的にした要因です。 |
|
|
●メールを活用した活動も可能 |
|
事例(2)「500〜1000人規模の事業所で」の場合には、保健婦が主体でメンタルヘルス活動、産業医がサポートし、メンタルヘルス教育を行っており、EAP(従業員援助プログラム)を活用。そしてここでは新たにEメールを利用したメンタルヘルス相談を開始しました。
このケースの場合、メンタルヘルスで重要な相談者の言葉の裏にある感情、身体表現を読み取ることができないのではと疑問でしたが、メールのメリットとして、文章化することで相談者の頭のなかが整理される。また保健婦のメリットとして文章をじっくりと分析できるということで、今後、増加するのではないかと思われます。
企業内でストレス調査を実施する際には、調査票に@目的、A結果は必ず返却する、B答えたくなければ答えなくても可であること、Cプライバシーの保護。以上4項目を付け加えることが重要です。 |
|
|
|
 |