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■2001年7月 No.358 |
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大阪は12年度も赤字決算 |
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…介護保険分離でマイナス幅は減ったが実質は?…
大阪府225健保組合の平成12年度収支決算(見込み)がまとまりました。 |
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収支決算の概要 |
◆赤字額は減ったが12年度も赤字決算、7割に近い組合が赤字 |
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経常収支差引額はマイナス254億円で11年度に比べ198億円減りました。
赤字の減少は、老人保健拠出金が11年度より336億円減ったためです。
赤字組合は152で、前年より16組合少なくなりました。
赤字組合が全体に占める割合は67・6%で、前年にくらべ約5%減りました。 |
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◆介護なければ赤字は700億円(推定)に |
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12年度の老健拠出金は、介護保険への移行を見込んで老人医療費の伸び率をマイナスとして算定したため減っていますが、介護保険がなかったと仮定、老人医療費の伸び率を前年比8%増として老健拠出金を推計すると前年より447億円増え、経常収支差引額はマイナス701億円になります。 |
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社会的入院の解消など、老人医療の介護保険への移行は当初見込みどおり進まないため、12年度の拠出金精算など今後の健保財政へのマイナス影響が懸念されています。 |
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適用状況 |
◆被保険者数は引き続き減少、標準報酬は伸び悩み |
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解散、合併などで大阪の健保組合は前年より6組合減り225組合になりました。
組合解散、企業のリストラなどで被保険者数は前年にくらべ85,000人(3.8%)も減りました。
平均標準報酬月額の伸びは0.7%と低く、頭打ち状態です。 |
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◆保険料率は横這い、90‰以上が3割を超える |
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平均保険料率(調整保険料含む)は前年とほぼ同じです。
特別保険料徴収は27組合、料率(一般保険料率相当)は4.927‰で前年の2・5倍の引き上げです。
保険料率85‰以上が127組合で全体の56.4%を占めています。
127組合のうち70組合(全体の31.1%)が90‰以上です。
95‰以上が10組合(4.4%)あります。 |
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保険料率引き下げは9組合、保険料率引き上げは18組合です。 |
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主な収支科目の増減状況 |
◆保険料、特別保険料収入 |
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保険料は被保険者減で217億円(2.6%)収入減。一人当たりは4,500円(1.2%)増です。
特別保険料は徴収組合の増と料率引き上げなどで4億円増えました。(一人当たりで239円増) |
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◆法定給付費、附加給付費 |
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医療給付費67億円(1.6%)減は医療費単価が減ったためではなく、被保険者数減少の影響です。
一人当たりでは医療費の伸びを反映して4,405円(2.3%)も増えています。
附加給付費は内容見直し、廃止などで総額、一人当たりとも大きく減っています。 |
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◆拠出金 |
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老健拠出金減少は、介護保険による老人医療費減を見込み、伸び率をマイナスに設定したためです。
退職者給付拠出金は35億円(6.2%)増、一人当たりは2,654円(10.4%)増えています。 |
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「かけはし」前月号は、健保連本部の緊急調査データから大阪の決算見込みを推計、速報にしました。今月号では、各健保組合が報告した「12年度決算(見込み)概要表」の集計結果をもとに決算状況をまとめました。調査時点が異なるため決算諸数値に「速報」と相違するものがあります。 |
平成12年度決算見込みの概要へ
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