それは大阪連合会にとって記念すべき日だった。
2月22日午後、大阪府庁内にある府政記者クラブの会見室。府庁詰めの新聞、通信、テレビ記者らを前に、コ永幸彦・会長代行(当時)、早司欣弘・専務理事(当時)、西川實・理事らが「不公平な老人保健拠出金制度が続く限り、破産する組合が続出する」と、激しい口調で訴えた。
会見の内容については、新聞、テレビ、『かけはし』3月号などに紹介されているので、ここではふれないが、この記者会見そのものが、大阪連合会にとっては画期的なできごとだった。 「これまで、記者クラブから医療保険制度のことで聞きたい、と言われて府庁へ行ったことはありますが、こんどの記者会見はこちら(健保連)から仕掛けたものですからね」と早司氏は言う。
各組合に割り当てられた13年度老人保健拠出金の額の多さに危機感を抱いた大阪連合会は、全国に先がけて緊急調査を実施した。
ただし、これまでだったら調査データを本部に報告し、本部は全国のデータを集約し国に働きかけるというのがふつうのパターンだった。
だが、今回の大阪連合会の働きは違った。各組合の悲痛な叫びが聞こえてくるような調査データを前に、理事会は、「本部への報告は報告として、大阪も独自の行動を起こすべきだ」と、府庁記者クラブに緊急の記者会見を申し入れた。
記者会見の内容は東京の新聞にも一部報道され、本部でも話題になったという。記者会見の翌日、上京したコ永氏も、親しい国会議員から「大阪さん、なかなかやりますなぁ」と言われたそうだ。
「これからは、国会陳情だけでなく、マスコミへもどんどんアピールしていく。こんどの記者会見はその突破口だ」(コ永氏)。
もともと大阪人には、粘り強さと押しの強さには定評がある。吉本仕込み(?)のしゃべくりも得意だ。
「健保連は医師会にくらべておとなしく、発言力が弱かった。これからは、政治的な行動力もより強めたい」と本部も意気込んでいる。大阪のバイタリティーがモノをいうときである。 (仁)
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