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●介護保険
もっとこまめにPRを |
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私の健保組合では、70歳以上の老健該当者に年4回健康情報誌を送付しているが、定期情報誌以外にまず11年5月に被保険者全員に介護保険のPR冊子を、第2弾として12年3月に直近のガイド冊子を配布して介護保険のPRに努めた。その上で、介護保険が始まる12年3月末、半年経った10月上旬の2回にわたり、アンケート調査を実施した。(下表参照)
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第1回調査(8割以上が未申請)(3月末〜4月初旬)
とりあえず、介護保険スタートに際して、老健対象者がどのような対応をしているのか簡単なアンケートを実施した。
アンケート該当者
老健該当者45名 回答者28名 回答率62%
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1.介護保険の申請をおこなったか・・・・ |
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申請した 5名 18%
申請せず 23名 82% |
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2・認定結果・・・・・・・・・ |
認定された 5名 100% |
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3・申請しない理由・・・・ |
今のところ健康につき申請しない、当面様子をみる |
等の意見が多くよせられた。
回答率が予想外に悪く、申請者が少ないのは、介護保険がまだ実感としてとらえられてなく様子見の感がある。
第2回調査(半年後も理解不足)(10月上旬〜11月上旬)
介護保険がスタートして半年が過ぎその知名度もある程度は浸透してきたと思われるので、再度介護保険対象者に拡大してアンケートを実施することにした。
アンケート対象者
65歳以上の介護保険第1号被保険者 被扶養者51名
回答者46名 回答率90%
主な項目と回答について分析すると
1)介護保険を知っているか・・・・ |
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知っている、だいたい知っている 67%
あまり知らない、わからない 33% |
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2)介護サービスを利用しているか・・・・・ |
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利用している 15%
申請予定 5%
当面利用するつもりはない 78% |
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3)当面利用するつもりはない理由・・・・・・・・・ |
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今は元気で必要がない 78% |
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介護は必要だが家族の協力で充分 11% |
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4)どんな状態になったら利用するか・・・・・・・・・ |
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かなり不自由になったら 67% |
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少しでも不自由になったら 11% |
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5)1月からの老人医療改革を知っているか・・・・・・・・・・・ |
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よく知っている 17% |
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聞いたことがある 41% |
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わからない 31% |
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6)現在誰と暮らしていますか・・・・・・・ |
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一人暮らし 11%
夫婦のみ 11%
息子、嫁とその家族 67%
老人ホーム入居中 7% |
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これらの調査結果から
新聞、テレビおよび市町村広報誌等で情報が巷に氾濫しており、また組合からも老人保健冊子や介護冊子の配布をたびたび行っているにもかかわらず現時点でおよそ1/3の人は、我々が期待するほど理解していないこと、特に、1人暮らしや老人だけの2人暮らしの人達に理解がいき渡っていないのではないかと思われる。
今後もこまめにPR活動(本人および被扶養者共々)を徹底していく必要がある。
当面利用しない理由として「今は元気だから」という返答が圧倒的に多かったのは、毎日医者通いができるほど元気?なのか、息子や嫁の家族と同居している率が高く介護は要らないということか。 意識としてはまだまだ元気で介護保険の世話になるのは、もう少し身体が不自由になってからと考えている人が多いようだ。
とにかく健保組合にとっては、医療と介護の区別を本人に認識させる必要があり、その方策を検討しないといつまでも今の状態が続くことになる。
(第4地区 O・H) |
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●高齢者も応分の負担を!許すな、改革の先送り
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平成9年の健保法などの改正にもかかわらず、各々の医療保険制度は非常に厳しい状況にある。
介護保険の導入によって、老人医療費は減少するとみられていたが、その効果も期待できず、保険財政は逼迫している。
高齢者医療については、高齢者医療制度の構築か、定率の自己負担を求めるか、いずれにしても経済的能力に応じた負担を求め、増加する負担を若い世代とともに分かち合うことが必要で、高齢者を一律に弱者とみる考え方を改めるべきである。
高齢者は若い頃、戦争に駆り出され、戦後は廃墟から復興させただけでなく、現在の豊かな生活基盤を整備するなど貢献したのは事実で、敬意が払われるべきであろう。だからといって、現役世代や将来の世代に過重な負担をさせる現在の制度は、明らかに高齢者を優遇し過ぎである。
現在の社会保障制度を支えている若者の高負担が、少子化に拍車をかけている要因の一つとするならば、むしろ日本の将来を担う若者にこそ配慮すべきであろう。高齢者の受益が負担を大幅に上回る事態が長期間続けば、制度は破綻するのは当然である。
平成9年医療費膨脹に歯止めをかけるため、出来高払い中心の診療報酬体系の見直し、薬価基準制度の改革、高齢者医療制度の構築等を柱とする制度の抜本改革案がまとめられ、平成12年実施を目ざした。
その翌年から医師会の反撃が始まる。高齢者が医者にかかりにくくなる、収入が減少するなどの理由で、医師会会長と自民党の当時の政調会長と「覚書」を取り交わした。そのなかには「薬剤の一部負担については、早急に再検討する」との文章が盛り込まれたのである。そして「覚書」が実現し、平成11年7月から、70歳以上の高齢者の薬剤費の一部負担は特別措置として廃止された。
与党の都合で、平成12年実施を目ざしていた制度の抜本改革案も先送りされた。
また、70歳以上の高齢者の窓口で一割負担を求める医療保険制度改正関連法案も解散で廃案になった。総選挙(平成12年6月)前に負担増を求めるのは得策でないと判断されたためであろう。
医師会は強力な力(金と票)を持っており、政治家にとって選挙では敵に回したくない存在である。この力を背景に自民党に圧力をかけて、医療保険改革で自らの主張を通してきたというのが関係者の共通した見方ではないだろうか。
今回の健康保険法等改正では財源をどう確保するのか、高齢者と現役世代でどう負担しあうのか等、詰めた議論はなく、高齢者医療制度改革の全体像は示されていない。
高齢者医療費は伸び続け、各保険者が一定割合で拠出している老人保健拠出金が急増、財政状況はいずれも悪化し、改革は待ったなしである。全国の約1、800の健保組合のうち、平成13年度予算では9割が赤字になるとの見通しもある。高齢者医療費の急増が主な原因であり、平成14年度の高齢者医療保険制度改革が実現できなかった場合、全体の約2割の組合が解散も視野に入れているという。
高齢者に応分の負担を求める根拠の一つは、資産と収入の格差に配慮すべきだが、現在の高齢者は平均すれば現役世代と何ら変わらない生活をしており、65歳以上の高齢者世帯の平均貯蓄額が、現役世代平均1・5倍であるという数字が挙げられる。年金等を含めた高齢者の一人当たりの収入は現役世代と大差はないとのことである。
持続可能な制度にするために各方面により多くの意見が出されているが、医師会の幹部は、諮問機関から提出される答申は単なる資料であり、決定するのは政治家であると豪語し、また自民党の大物参議院議員は、「政治家の頭の中の8割は、選挙と金のこと」と言う有様。
7月には参議院選挙がおこなわれる。医師会の強力な圧力により、政治の場での医療改革は、残念ながら期待できそうもないが、平成14年度の改革は「無理が通って道理が引っ込む」ということにならないように望むものである。
(第5地区 Y・S) |
●任意・継続療養制度
は廃止の方向で! |
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任意継続制度や継続療養制度の見直し・廃止について、本欄でも再三取り上げられてきたが、今日まで制度改正への動きが全く見えてこない。
現在、我が国の社会保険制度は誰もが何れかの保険に加入出来る国民皆保険体制にあるにもかかわらず、なぜ2ヵ月以上の被保険者期間があれば任意継続被保険者となることができる権利を与えなければならないのだろう。(各制度間に若干給付内容に格差があるが・・・)
現行制度のなかでは、健康保険適用事業所を退職し、被保険者資格を喪失すれば、国民健康保険への加入、あるいはいずれかの制度の被扶養者となることができるのに、被保険者とし、配偶者や子供の被扶養者届がついてくるのが理解に苦しむ。
これまでの経過から制度の廃止が無理であれば、せめて以前に適用されていた厚生年金第四種被保険者資格のように10年以上に改正出来ないものか。
また、任意継続被保険者や継続療養受給者に傷病手当金等の現金給付があるのも疑問をいだく。
本来、傷病手当金は、被保険者がケガや病気のために労務に服すことができず、所得の喪失または減少を補い生活の保障を行うために支給されるものであって、任意継続被保険者等のような退職者に対してまで傷病手当金を支給するというのはいかがなものか。
経済不況の長期化で事業所のリストラ・倒産により、年々任意継続被保険者が増加している今日、健康保険組合の財政悪化の要因の一つとなっているこの制度の廃止並びに見直しについては老人保健制度の改革と併せ早急に検討されるべきである。
(第6地区 T・T) |
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- 訂正 - |
351号の記事中、誤りがありましたので次のように訂正いたします。
言わしてんか!聞いてんか! 7ページ3段3行目 |
(誤)1+1<2なる図式でも‥‥
(正)1+1>2なる図式でも‥‥ |
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