広報誌「かけはし」
2001年1月25日 No.352
時評
 ●新世紀のスタート。 抜本改革へ個々人の力の結集を!
 

新年明けましておめでとうございます。
 21世紀の幕開けをどのように迎えられたでしょうか。
 ご家族で神社に初詣に出かけられた方、スキー場や温泉でゆっくり過ごされた方、テレビでお正月番組のスポーツ観戦を楽しまれた方等々、それぞれにお正月を満喫されましたか。
 20世紀最後の昨年は「介護保険法施行」「通常国会での健保法関連改正法案の廃案」「同法案の臨時国会での成立」とめまぐるしく動く政治動向のなか、健保組合にとっても近年まれにみる激動の年でした。収入面では、被保険者数や標準報酬月額の減少からの収入減、支出面では、医療費の増大および老健拠出金の増大による予想外の支出増により赤字組合が増え、ついには解散に追いこまれる組合が出現しました。
 法改正の遅れは老人医療費の激増をもたらし、介護保険だけに限っても、料率上限問題に絡んでの収入処理の混乱をきたし、さらには療養型病症群の介護型病棟への転換が極めて低調のため社会的入院が解消されず、2年後の老健拠出金精算が増大するといったおまけまでいただいた年でした。
 今各健保組合では予算作業の真っ最中ではないでしょうか。このような苦しい状況下で、健保事業の健全性というより、いかに予算を使わず健保組合の必要性を示すかに腐心されていることと思います。しかしながらさらに一歩踏み込み医療保険制度抜本改革について「自分達の出来ることは何であろうか」と真摯に見直そうではありませんか。組合員一人一人の声として、医療保険制度抜本改革の必要性が本当にかたられているのか。そのために今自分達にできることは何なのか。そのために今起こすべき行動は何なのかをです。
 健保連の目指す医療保険制度抜本改革はいうまでもなく@医療提供体制A薬価基準制度B診療報酬体系C高齢者医療制度の四本柱での改革です。
 2002年医療保険制度抜本改革にむけて、今年中に方向性を明らかにするとともに、具体案まで策定されるようでないと、とうてい予定どおりの改革が進むとは考えられません。参議院選挙も予定されています。健保組合員個々人の力を結集する必要のある年です。
 今年の取り組みが21世紀の医療保険制度の基盤をつくるといっても過言ではないと思います。
 2002年医療保険制度抜本改革が確実となるよう、組合員一人一人が自覚を持ち、具体的にこの一年に「一つでもよいから何をするのか」を新年の誓いにして輝ける新世紀を迎えましょう。          (N・K)