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■2001年1月25日 No.352 |
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保健婦研修会が12月12日、健保連大阪中央病院で開かれ、プール学院大学短期大学部の中村芙美子教授が「交流分析と人間関係〜自分が変われば相手も変わる−通じあうコミュニケーション〜」と題した講演を行った。 |
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交流分析と人間関係
自分が変われば相手も変わる-
通じあうコミュニケーション |
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中村芙美子教授
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●TAの目的と基本理論 |
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交流分析(TA「Transactio-nal Analysis」)は1957年に創案された人格理論です。現在では世界60カ国以上でTA理論が活用され、医学界をはじめ教育界、産業界などにおいて人間関係改善に幅広く用いられています。
TAの目的としては、(1)自己 を知る→自分への気づきを深め、心身の自己コントロールを可能にすること。(2)自律性を高め自分の感情、思考、行動に責任を持つ→他人や環境のせいにしない(過去と他人は変えられない、まず自分が変わる)。(3)愛情と信頼に基づく真実の交流を回復する→気持ちの良い人間関係を築くことにあります。その基本理論は、@構造分析(自我状態・エゴグラム)。A交流パターン分析。Bゲーム分析。C脚本分析。Dストローク。E時間の構造化。F基本的構え。以上7つの理論によって構成されています。
構造分析は、自己のパーソナリティを分析して自分に気づくこと。
交流パターン分析は、やりとり分析とも言い、「相補的交流(平行交流)」、「交差的交流」、会話の裏にかくされた心理的メッセージのある「裏面的交流」の3つの基本的な形があります。
ゲーム分析とは、裏面的交流が習慣化したものを分析する方法です。日常生活や職場、家庭生活でいろいろな形で繰り返されている人間関係のくせをゲームといいます。
ストロークとは、相手の存在を認めるすべての刺激のことで、それには「肯定的ストローク」(微笑む、うなずく、ほめる等)と「否定的ストローク」(たたく、睨む、責める等)があります。
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●自我を構成するP,A,C |
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TAでは、人はすべて"P"(CP、NP)、"A"、"C"(FC、AC)の3つの私を持っており、これらを「自我状態」と呼びます。この自我状態の5つの働きを折れ線グラフで示したものを「エゴグラム」といいます。CPには、「規律を守る、責任感がある、几帳面」など良い面がありますが、数値が高すぎると「強制的、批判的、きびしい」といった態度になります。またNPでは、「愛情を持つ、世話をする、心づかいがある」反面、「過保護、おせっかい」になることもあります。
"A"は「冷静、客観的、理性的」である反面、打算的で冷たく感じる場合もあります。物資万能も、天真爛漫なFCのマイナス面としては「わがまま、無責任、自己中心的」などの部分があり、従順なACのマイナス面には「黙って閉じこもる、消極的反抗する」などがあります。
自分のエゴグラムをみて多少とも変えたいと思ったら、まず、1、自分がどんなタイプの生き方をしたいか考え、2、自分の中の低いエネルギーを高くする方に目を向け、3、目標を設定し、自分の行動を変えそれを習慣化するように実行してみてください。
具体的には、CPを上げるため「自分の意見をはっきり述べる」「決めたことは最後までやり遂げる」。NPを上げるには「相手の良い点に目を向け、それを相手に伝える」など、各タイプが持つ良い部分を積極的に取り入れていくことです。
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