広報誌「かけはし」
2000年8月25日 No.347
投稿 言わしてんか!聞いてんか!
   
●医療改革どうしたんや!
   近年の経済低迷を反映して保険料等の収入は伸びず、医療保健制度を取り巻く環境は非常に厳しいものがあるんですね。
 この財政悪化に耐えきれず、解散する健保組合も急増中という由々しい現状ですワ。本来ならば、健保組合は経営努力を行えば、「保険料収入で保険給付は賄える」ものやったんです。
 たとえば、被保険者や被扶養者に、健保組合の経営に関心を持たせ、健康づくり支援施策を効果的に取り組むことにより、財政安定を図るというようなことは、もうズーと遠い昔話の世界になりつつありますナァ。
 健保組合がお金持ちで、『台所が潤っている』という一つ覚えのような妄想から、とれるところからとろうとする、いまのやりかたはたまりまへん。『保険経営』の基礎もなにもあったもんやないですワ。
 台所が苦しいのは、老人保健拠出金にあって、その原因は不合理・不公平な現在の拠出金制度と、老人医療費の増大にあるということを、大きな声で言いたいですワ。
 健保組合の多くは高齢化に伴う医療費の増加で、支出は年々膨らむ一方、リストラの影響から保険料収入は伸び悩んで、財政悪化、再建のメドたたず、惨憺たる状況でっせ。
 なんでそうなったかというと、医療費のムダを省く狙いで、政府が2000年度に予定していた医療制度改革の先送り、これがひとつ大きな問題ですナ。医療費を負担する健保の支出に歯止めがかからんのですワ。
 その一方でお上は、声が大きいやんちゃには、こんな時でも4月からの診療報酬の改正をみとめたですがな。しかしでんナァ、4月から始まった介護保険では、その財源を被保険者に求め、そのうえ、介護保険料のとりたてまでおおせつかり、ホンマありがたいことでっせ。台所が汲々しているのに、上乗せしてとるもんやから、お上がきめた上限枠がいっぱいでとられへんで、えらい困ってますねん。どないしてくれまんネン。
 健保組合というのは、自主・独立性を持って事業運営をやっていくのが本来のあるべき姿と思うんですが、どんなもんでしょ。助成措置など受けずに自立できる、仕組みそのものを根本的に組み替える、新しい制度が必要なんですワ。
 仕組みに歪みがあるのではどうしようもない。高齢者にも公平な負担をお願いせんと、若いもんはたまりませんワナァ。
 健保組合のめざす方向は、組合員一人ひとりに健保組合の窮状を正しく知ってもらい、老人保健制度全体の不合理の早期是正と、医療保険制度の抜本改革に向けて、健保連、健保組合も一体となって取り組まなあきまへんのや。
 最後にもう一度、「医療改革はドナイなっとんや!」と言わしてもらって、結ばせてもらいます。ハイ、オーキニ。
 (ダスキン T・A)
   
●健保組合にも国庫負担金を
 
 現在の健保組合の財政状況は今更書くまでもなく、皆様がよくご存じのとおりである。
 そこで現状を打開するために何をどのようにすればよいのかと考えた時、いろいろ問題点はあると思われるが、そのなかでも特に国庫負担が公平でないことがあげられる。主な医療保険者の中で、給付費等に国庫負担がないのは健保組合と各種共済組合である。
 これは医療保険制度成立の過程のなかで、この両者は構成要素等により国庫負担がなくとも運営が可能であるとの判断から、国庫負担がないまま現在に至っているものである。
 しかし、バブル崩壊以降、長引く景気の低迷による経済基調の変化と急速な人口の高齢化等々による社会構造の変化という構造的な赤字体質のなかで、多くの組合の財政が危機的状況となっている。こういった現状を考えると、一刻も早く健保組合にも政管健保同様の国庫負担があってしかるべきと思うのだがいかがであろうか。
 健保組合の健全なる運営のため、厚生省に次の事項につきご検討いただきたい。
 @法定給付費に国庫負担金を投入すること
  (政管健保の保険料率をベースに給付費の所要財源率、標準報酬、扶養率等の組み合わせにより国庫負担を行う。)
 A老健拠出金に国庫負担金を投入すること
  (政管健保に準じた内容で国庫負担を行う。)
 B退職者給付拠出金を廃止すること
  (保険加入者でない者の給付費負担は保険原則にそぐわず、即刻廃止すべきである)
            以 上
 このままでは、もうどうにもならないところまで来ており、崩壊は目前に迫っている。
 なんとしても小集団のメリットを活かした組合制度を守るために、また、国民の平等性を保つためにもわれわれ組合に対しても相応の国庫負担の導入を切望する者である。
  (第2地区 S・K)
   
●数値情報は早く!
   この拙文をお読みになってる健保組合関係の皆さん。毎朝出勤されデスクに座られた後一番に何をされますか?
 中にはお茶を一杯飲んでおもむろに新聞や書簡を・・・という方もおられるかもしれませんが、多くの方は即仕事、デイリー業務や決裁書類に取りかかられていると思います。
 かくいう私は、まず支給されているノート型パソコンのスタートボタンを押すところから一日が始まります。
 パソコンが立ち上がると会社のネットワークが現れ、自分のメールボックスを見て急ぐものには返事を出し、会社関係の情報、掲示板の確認(一応「健保組合からのお知らせ」という掲示板も作っている)の後、インターネットに切り替え会社のホームページとイントラネットへ入り健保関係情報のチェック、これが通常毎朝のルーティンとなっています。
 おそらく同じような方が多くおられるのではないかと思います。
 特に健保連のイントラネットは情報が早く中央情勢報告や各種会議の内容、健保ニュース等最新の情報を活用できるのは有り難いことで、その中でも業務上で有効に活用させてもらっているのが「健保組合数値情報」です。
 この情報は組合会、理事会、各種委員会の開催時の資料作成にあたって、健保組合全体や同業他社の健保組合の状況(当健保の母胎企業は業種が多岐にわたっている)当の数字を把握する上でその都度問い合わせをしたり、ペーパー資料を探さなくてもすぐに把握できるので非常に重宝することが多くあります。
 ところが、ところが、肝心のデータが遅い!!数値情報としてはこれは致命的です。
 この原稿を書いている今でも12年度の予算数値が入っていません。これでは従来の冊子と変わりなく折角インターネットによる早く広く情報の提供の意味がありません。
 聞くところによると各健保から提出された予算書等のチェックに手間取るというのが時間のかかる最大の要因とのことであり、正確さを第一というのは当然のことではありますが、せめて概算でも速報数値として先に提供してもらえないものでしょうか。
 担当部門の努力には感謝しますが、「古い情報はないほうがまし」の例えもあるようですよ。    (鐘紡 H・H)