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■2000年8月25日 No.347 |
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大阪連合会の平成12年度第1回総会が7月31日、北区のホテルモントレ大阪で開かれた。出席206組合、委任状提出38組合、合計244組合。
岡澤元大会長が議長をつとめ、平成11年度の事業および収入支出決算などを提案し、承認された。
開会に先立って来賓の大阪社会保険事務局椋原保険管理課長があいさつした。
各議案は次のとおり。 |
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●議案第1号 |
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大阪連合会平成11年度事業報告 |
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※事業報告の概要は別掲のとおり |
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●議案第2号 |
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大阪連合会平成11年度収入支出決算 |
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※決算概要は別掲のとおり |
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●議案第3号 |
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大阪連合会平成11年度収入支出決算残金処分 |
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以上、関連3議案を一括上程、各議案について事務局から詳細に説明、監事組合を代表してロイヤルホテルから、7月10日(月)に行われた監査結果報告のあと、審議に入り異議なく承認された。 |
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●議案第4号 |
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大阪連合会平成11年度特別保健福祉事業推進助成事業報告 |
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●議案第5号 |
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大阪連合会平成11年度特別保健福祉事業推進助成事業会計収入支出決算 |
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以上、関連2議案について事務局から説明、内容は本部事業のうち大阪連合会実施事業分の事業報告と決算であることを付言、異議なく承認された。 |
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●議案第6号 |
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学識経験理事選出の同意 |
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議長は、平成12年度第1回理事会で、専務理事の早司欣弘氏を規約第12条第3項に規定する学識経験理事として選出したが、総会の同意を得なければならないと説明、その同意を求めたところ、全員が異議なく賛意を表し、早司欣弘専務理事の再選が決定した。 |
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●議案第7号 |
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監事の選任 |
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監事は、規約第12条第6項の規定により、総会において選任することになっているため、議長は、次の3組合を監事に指名、全員の賛同を得て異議なく選任された。
ロイヤルホテル
椿本チエイン
近畿日本鉄道 |
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●議案第8号 |
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顧問の委嘱 |
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議長は、大阪連合会の顧問として、板垣特別顧問、松本特別顧問、内田、蔵野両顧問には引き続き委嘱したい旨説明、全員の賛同を得て委嘱した。
特別顧問 板垣安夫氏
特別顧問 松本良諄氏
顧 問 内田一男氏
顧 問 蔵野治士氏 |
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●議案第9号 |
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参与の委嘱 |
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議長は、医療相談部の冨田勝己先生を、引き続き参与として委嘱したいと説明、全員の賛同を得て参与に委嘱した。 |
以上により全議案の審議を終了した。
つづいて来賓の健保連本部下村副会長から「医療保険制度をめぐる諸情勢」と題する講演が行われ、午後5時閉会した。 |
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健康保険組合の財政は、先般公表されました平成11年度決算見込みを見ましても、これまでで最も厳しい状況下にあります。
大阪連合会会員組合においても、赤字組合は168組合と全体の約73パーセントにも達し、その赤字額は456億円と昨年度の赤字額の5倍以上に激増するなど、極めて厳しい最悪の事態を迎えており、本年4月にスタートした介護保険制度の保険料納付もままならない状況といえます。
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そうした厳しい状況の中で、先日の衆議院総選挙では、健保連が推薦致しました候補者の大多数が当選されるという、従来にない強力な支援に、改めて健保連の政治的存在感が評価されています。
一刻も早い医療保険制度抜本改革の実現を求める私どもとしましては、今後の政局の安定と正常な国会運営が確保され、改革実現の展望が開けていくことが望まれるところであります。
現在考えられている政治日程からみますと、廃案となりました健康保険法改正法案を審議する臨時国会の開催は9月以降になりそうであります。そうした政治状況のなか、健保連本部としましては、主な国会議員の先生方に対し、改正法案を早期成立を要請しています。
これに関し大阪連合会では、去る17日に連立与党と「予算・政策要望会議」を開催し、「医療保険制度の抜本改革の早期実現を図ること」、「改革達成までの間、老人保健拠出金にかかる拠出上限を所要財源率の25%とすること」、「健康保険関連法の早期成立を期すこと」、「健康保険関連法施行の遅れによる介護保険料の延納に伴い、将来過重な負担が生じないよう必要な財政措置を講ずること」等について要望するなど、国会議員への陳情活動を積極的に展開しています。
しかしながら、こうした活動もこれからが本番です。
政府・与党が公約としていた平成12年度からの医療保険制度抜本改革は2年先送りとされたのみならず、まだ、その改革の概要すら明らかにならない状態でございます。
私どもとしては、更に一致団結して、粘り強く、抜本的な改革が実行に移されるまで、これからも効果的な行動を続けていかなければならないと考えております。
ご参集の皆様におかれましては、今後の諸行動におきまして、一層のご尽力、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。
さて、去る6月5日、健保連直営の大阪中央病院がJR大阪駅西口にオープンしました。私どもとしましては、「大阪連合会のステータスシンボル」として新病院の機能をフル活用するとともに、さまざまな機会をとらえて外部へもPRし、利用者を増やしていきたいと考えております。
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1.健康保険組合をめぐる情勢 |
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景気は回復傾向にあると言われながら、依然として長引く日本経済停滞の影響は健康保険組合の保険料収入の減少となり、反面高齢社会に突入した今日、老人医療費の伸びは高水準で推移し、これが老人保健・退職者給付拠出金の増加となって、ほとんどの健康保険組合の財政は悪化の一途を辿っている。
このような構造的財政赤字の要因は、大阪連合会会員組合の平成11年度決算見込みでも顕著に作用して、経常収支赤字組合は168組合73%にも達し経常収支赤字額は、10年度より358億円も多い456億円と極めて厳しい最悪の事態を迎えている。被保険者数は言うに及ばず標準報酬月額も減少するなかで、支部の廃止や保険料の引き上げ、さらには保健事業費、附加給付費の削減など、各健康保険組合の自助努力は限界に達している。
これらの極めて厳しい現状を踏まえて大阪連合会では、平成11年6月に連合大阪などとともに「雇用・生活危機突破大阪府民集会」を、また、7月には「健保組合財政危機突破決起大会」を近畿地区協議会の総意で実施し、医療保険制度抜本改革の早期実現を関係方面や一般世論に力強く訴えた。
また、制度改革促進への取り組みとして国会議員への陳情活動も積極的に展開し、健保組合の厳しい財政状況を訴えたところである。
しかしながら、医療保険制度の抜本改革は政治的思惑も絡み平成14年度に先送りされ、健保法等改正案も頓挫している状況にあるが、医療保険構造改革に向け、引き続きねばり強く活動を展開せねばならない。
以下、平成11年度の事業活動の概要について事項別に報告する。 |
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2.本年度の実施事業の概要 |
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1 制度対策と対外活動 |
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健保連では都道府県連合会長会議を4月14日に開催、拠出金支払いの一時凍結も視野に入れた強力な統一行動を決定、合わせて平成12年度抜本改革実現への要請書を採択、これを受けて大阪連合会では、5月7日〜6月4日に大阪府選出国会議員に面談、要請書を手渡し、厳しい財政状況と、改革法案の早期提出を陳情。
また、近畿地区協議会では「健保組合財政危機突破決起大会」を7月12日に開催、406人が参加し、医療保険制度の抜本改革の早期実現を求める決議を採択。
次に、健保連は7月16日「医療保険改革促進決起大会」を東京都内で開催し、平成12年度において実効のある措置をとることを要請した決議を採択、引き続き健保連本部、各都道府県連合会代表が各政党、国会議員、厚生省、大蔵省などに対して強力な陳情活動を実施。
さらに、健保連は緊迫する中央情勢に即応するため次の措置を講じ世論に訴えた。
@7月には、老人保健拠出金の不当性と医療保険制度改革の早期実現を訴えるため、全健保組合が延納を実施した。
A10月13日、自民党が医療制度抜本改革の基本的考え方を公表、これに対し、会長声明で「具体的内容の明確化と12年度での実効措置」を求めた。
B11月11日、政府の介護保険見直し案について「介護保険実施と医療保険改革の同時実施」を訴える会長声明を公表。
C11月30日、健康保険組合全国大会│医療保険改革実現決起大会│は、全国の代表4、000人が、かねてより大阪連合会が主張したハチマキをまいて参加、大阪連合会ではこのような本部方針に沿い、諸般の活動を積極的に展開。
総務委員会(11回開催)
◎大阪連合会の10年度事業報告・収支決算・決算残金処分案等の検討
◎大阪連合会の12年度事業計画・収支予算案等の検討
◎予算編成説明会 出 席 240組合598人
◎新年互礼会 出 席 718人
うち健保組合関係
191組合334人対外活動
◎国会議員等に対する陳情活動・意見交換会(52人)
◎医療保険改革促進決起大会時の国会議員等への陳情活動 (12人)
◎健保連全国大会後の国会議員に対する陳情活動(8人)
◎国会議員を励ます会等への参加(6回)
◎関経協、連合大阪との連携行事(4回開催)
◎医療保険制度等検討委員会 (1回開催)
◎大阪府知事選挙での取り組み
◎近畿地協の決起大会 健保組合財政危機突破決起大会
(大阪連合会健保組合より114人参加) |
2 広報活動 |
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機関誌「かけはし」を通じ、緊迫する健康保険をめぐる情勢、医療保険制度等の構造改革問題の解説や健保連の意見等を掲載、会員組合における広報活動を支援するための広報研究会を開催。
広報委員会(12回開催)
◎かけはし発行 第331号から第342号
◎広報研究会 講 師 岸 洋人氏
出 席 97組合118人
テーマ 医療保険抜本改革の行方 |
3 組合業務支援対策 |
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組合役職員の資質向上と厚生の増進および連帯感の醸成に有効な研修会・講習会を開催。
組合業務委員会(7回開催)
◎組合職員事務研修会(2回) 出席延べ120組合157人
◎組合業務担当者実務講習会 (3回) 出席延べ301組合374人
◎組合事務合理化研修会(4回) 出席延べ56組合56人
◎組合職員初級実務講習会 出席79組合106人
◎組合職員ボウリング大会 参加25組合193人
◎事務長クラス研修会 出席149組合161人
◎特別講習会 講師 アントニオ 古賀氏 出席 83組合123人 |
4 医療費適正化対策 |
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高額レセプトの点検・レセプト相談・法律相談等の諸事業を実施して医療費適正化に寄与。
また、支払基金専任審査員との打ち合わせ会・事務連絡協議会を通じて審査問題に関して要望。
医療給付委員会(6回開催)
◎レセプト担当部会(8回開催)
◎支払基金との事務連絡会議 (2回開催)
出席延べ医療給付委員・レセプト担当部員50人、
支払基金幹事長・担当課長32人
◎大阪府社会保険管理課との打ち合わせ 出 席 連合会 8人
大阪府社会保険管理課 4人
医療対策室
◎高額レセプト点検
点検件数 5,866件
要再審件数 4,610件
減額査定件数 2,591件
返還金額 99,465,160円
◎柔道整復師療養費請求誤り
組合数延べ 18組合
返還金額 474,287円
◎レセプト相談部
利用組合数延べ 410組合
相談件数 3,713件
再審必要件数 632件
◎法律相談コーナー 相談件数 32件
相談内容主として第三者行為にかかる診療費の代位求償権の行使について |
5 健康開発共同事業推進 |
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生活習慣病・メンタルヘルスに重点をおいた健康に関する各種講座を開設。
また、健康づくりは、講座・卓球大会・卓球教室・健康づくり運動100キロ歩こうを開催。
保健共同事業委員会(5回開催)
◎健康教室(6回開催) 出席延べ384組合776人
◎健康づくり教室(2回開催) 出席延べ98組合202人
◎心の健康講座(4回開催) 出席延べ264組合518人
◎健保組合卓球大会 参加24組合 団体戦 男子23チーム 女子4チーム
個人戦 男子20人・女子6人
◎卓球教室 参加者443人
◎100キロ歩こう(8回開催) 参加人数4,540人
うち健保組合関係 366組合2,321人 |
6 総合組合関係 |
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総合組合の財政事情について月次調査を実施したほか、交付金交付事業(財政窮迫組合)の交付基準改定による実態調査を行い交付基準の検討を要望した。
総合組合委員会(4回開催) |
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3.特別保健福祉事業推進助成事業 |
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1 保健婦等保健指導推進事業(検討委員会 3回開催) |
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◎保健指導等実施健保組合 26組合、337事業所、
延べ800日、保健指導4,758件、健康教育4,514件
日本公衆衛生学会発表 日本産業衛生学会発表 日本健康教育学会発表
◎健康生活と健康意識に関する調査分析
◎保健婦保健指導活動の業務のまとめと分析 |
2 在宅介護推進・おとしより介護情報提供事業 |
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◎ハロー・インSARA
相談人員
来室31人、電話1,045人 合計1,076人
うち健保組合員513人
相談件数 20,296件
見学・問い合わせ 112件
◎介護機器情報の提供
大阪連合会ホームページ アクセス件数109,480件 |
3 運動習慣普及のための健康教室開催事業(検討委員会 6回開催) |
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◎小山ちれ、許琴選手によるエキジビションゲーム
◎卓球教室の開催 参加者 443人 |
4 病院情報提供推進事業 |
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「ホスピック」病院情報と「ハロー・インSARA」高齢者介護情報の両データベースの検索が可能
イントラネットアクセス件数 7,362件
近畿2府4県の保険医療機関約1,372、全国の老人病院等約3,124、老人保健施設約2,506のデータを収載
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●史上最大の赤字確実 |
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11年度医療保険医療費の状況が17日公表された。医療費は、前年度に比べ1兆円伸びたが、その増加額の約9割の9,000億円は老人医療費であり、この増加額のうち5,000億円が、老人外来医療費である。
保険医療費の増加のほとんどが老人医療費で占められて、その結果、老人医療費は全医療費の40%を超えた。とくに老人の外来医療費の伸びは油断ならない伸びで、詳しく分析する必要がある。
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そこで健保財政について少し早めに11年度決算見通しを集計したが、その結果、断定はできないが、赤字総額は2,100億円となり、2,000億円の大台を超え、史上最大の赤字になることが予想されている。そうなれば、前年の10年度と比べると落ち込み幅は2,500億円となり、その幅も史上最も大きい落ち込みとなる。
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●改正健保法の早期成立を |
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本格的な臨時国会の召集は9月になり、健保法案再提出は、早くて9月末頃になるかもしれない。両院日程や野党の動向等から考えて、12月施行はかなり難しいということが予想される。また、改正法案がどんな内容で再提出されるかということにも注目している。
施行が大幅に遅れ、正常に介護保険料が徴収できない状態が続くわけで、法施行後は、無条件で4月に遡って徴収できるのか疑問が出てくる。このことを可能にするような条項を改正法に入れてくる可能性もあり、そうなるとこれも国会の一つの争点になり、13年度予算にも影響が出てくることも懸念される。
そのころになれば、成立の遅れによる12年度予算への影響も確定し、13年度の健保組合の財政状況がある程度予想できるが、好転する材料は見いだせない。13年度の財政がどのような状況になるのか、予想対策をして、早めに把握につとめたい。
このように改正法成立が遅れれば遅れるほど、変則な状況が継続するので、何をおいても早期成立に向けて最大限の努力をするしかないと考えている。
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●抜本改革はどうなるのか |
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臨時国会でも改正法案審議と併せ、改革の行方をどう締めくくるのかが、大きな問題点としてあがってくるだろう。10月が審議の山場となる。その時に、我々としてどう主張していくかという課題がでてくる。将来の改革を念頭に置いて、今年の秋の時点で、何と言うのか十分論議をつくして置く必要がある。
健保連は、老人医療費は「突き抜け方式」を主張しているが、それでよいのか。来年1月には省庁統合が実施されるが、厚生省の老人医療制度改革プロジェクトチームは本格的論議はしておらず、この状態で14年度に向けた改革が本当にできるのか、非常にきつい状態であるが、14年度には何が何でも改革を行ってもらうことを周知して対策を講ずる必要がある。
連合は、当面の対応として、老人医療費の公費負担をとりあえず5割とすることを主張している。日医・経団連も、75歳以上老人医療を一本化し、9割の公費負担を提唱している。また、公明党は「社会保障基金機構」を創設し、基礎年金と介護保険と老人医療において、高齢者に使う資金を一本化して、社会保障の基金にするもので一つの考え方である。将来税制改革が行われ、財源が確保できた場合の受け皿と考えているようだ。
このように、税方式の論議が盛んであるが、共通点としては、拠出金はよくないという考え方が大勢化しつつあるということで、拠出制を廃止して、主として税方式でやるか、保険方式でやるか、この二方式に選択肢がしぼられつつある。
大阪においてもいずれ近いうちに老人に関する基礎的な数値等がまとまれば、老人医療制度の改革につき検討をしていただくことになるかもしれないが、その時にはよろしくお願いする。
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