けんぽれん大阪連合会

けんぽれん大阪連合会 会員組合員専用サイト 要認証
近畿地区連合会 専用サイト 要認証

広報誌「かけはし」

健保組合(全国)の2024年度決算見込み
高い賃上げや保険料率の引き上げなどにより 145億円の黒字を計上
―依然、赤字組合は約5割、赤字総額は2066億円―

健保連は9月25日、全国1378健保組合の2024年度決算見込みを発表した。経常収支は、高い賃上げや保険料率の引き上げによる保険料収入の増加等により145億円の黒字となったが、赤字組合は全体の約5割であり、その赤字総額は2066億円にものぼる。健保組合財政は依然厳しい状況が続いている。

2024年度決算見込み(1378組合)

2024年度健保組合決算見込みは、全国1378健保組合の決算状況を集計したもの。それによると、経常収支は145億円の黒字。主な要因は、三十数年ぶりの高い賃金上昇の影響や、保険料率の引き上げによる保険料収入の増加である。また、24年度の医療費が新型コロナの特例措置の廃止等の反動により、低い上昇率を推移したことも挙げられる。それでも、赤字組合は全体の約5割であり、その赤字総額は2066億円となった。

保険料収入は前年度比4261億円(4.9%)増。標準報酬は、月額2.4%増、賞与額3.0%増

保険給付費は前年度比623億円(1.3%)増、高齢者等拠出金は同2065億円(5.7%)増となっている。

平均保険料率は0.04ポイント増の9.31%。収支均衡に必要な財源を賄うための実質保険料率は0.06ポイント減少し9.30%となった。

保健事業費は、前年度比97億円(2.6%)増の3912億円。

介護保険料率は、前年度比同率の1.78%。被保険者1人当たり介護納付金額は、前年度比2552円(2.10%)増の12万1517円。

今後の財政見通し(健保連推計)

25年度の保険料収入は、前年を上回る賃金上昇の影響に加え、保険料率の引き上げ等により増収が見込まれる。一方、保険給付費は、直近25年4~6月の医療費の動向(+2.9%)を踏まえ、新型コロナ感染拡大以前よりも高い伸び率が見込まれるが、今後の動向については不確定要素が多く、慎重に見極める必要がある。

また、25年度に団塊の世代が全員75歳以上となることから、後期高齢者支援金が中長期的に高い負担額のまま推移し、27年度以降は、全国の前期高齢者数の割合が上昇に転じて前期高齢者納付金も増加する一方、現役世代の減少が続くため、拠出金の負担増は必至。なお、26年度からは新たに「子ども・子育て支援金制度」(納付金2000億円超)が開始される。