1月の理事会から
1月18日、定例の理事会を開催し、中央情勢報告を中心議題として審議した。はじめに、出席者の交代があった理事組合(大阪鉄商)と、監事組合(タカラスタンダード)の紹介があった。
1.中央情勢
(1)医療・介護保険制度改革関連
12月15日に開催された社会保障審議会医療保険部会において、
①前期高齢者納付金の報酬調整の範囲は3分の1に止めるべき
②高齢者負担賦課限度額は、2年をかけて段階的に引き上げる
③出産育児一時金の引き上げ額は、2023年4月から50万円とする。また、後期高齢者による一時金の支え合いについては、対象額の7%とする。(ただし、経過措置として2024年、2025は対象額の2分の1とする)
―との取りまとめがなされた。
12月21日には、内閣官房、内閣府、厚生労働省の3大臣による大臣折衝が行われ、
①2024年度から財政支援の制度化を含む健保組合への支援が430億円(内、230億円は企業の賃上げ努力に配慮)
②出産育児一時金の引き上げによる国費により、支援措置として健保組合分は40.6億円
―が決められた。
これを踏まえて健保連の宮永会長は「今般の改革において被用者保険への支援として円滑化等補助金の拡充に加え、財政支援への制度化が示されたことは、大いに評価したい。ただし、さらなる報酬調整の拡大は断じてあってはならないと考える。さらなる現役世代の負担軽減につながる改革を強く要望する」とのコメントを出された。
(2)かかりつけ医機能の制度整備
かかりつけ医機能の明確化等を目的とした医療法等改正案が、次期通常国会に提出される見込み。厚生労働省は、2023年度以降、制度整備(①かかりつけ医機能報告制度の創設による機能の充実・強化②医療機能情報提供制度の拡充)に関し具体的な検討を行うスケジュールを示している。健保連としては、今回の制度整備がゴールではなく、第一歩であると主張している。
(3)2023年度の薬価改定ならびに診療報酬上の時限的・特例的な対応
薬価改定については、2022年薬価調査に基づき、薬価算定ルールを踏まえ、薬剤費は△3100億円(国費△722億円)。
また、診療報酬上の対応として、
①オンライン資格確認の導入・普及の徹底の観点から、2023年12月末までの間、初診時・調剤時における追加的な加算、再診時における加算を設定するとともに、加算にかかるオンライン請求の要件を緩和
②2023年12月末までの間、一般名処方、後発品の使用体制にかかる加算、薬局における地域支援体制にかかる加算について上乗せ措置を講ずる―とされた。
(4)マイナンバーカードと健康保険証の一体化
これまでに専門家WGは3回開催されている。検討事項案は次の5つ。
①特急発行・交付の仕組みの創設等
②代理交付・申請補助等
③市町村による申請受付・交付体制強化の対応
④紛失など例外的な事情によりマイナンバーカード不所持の場合の取り扱い
⑤保険者の資格情報入力のタイムラグ等への対応
健保組合に関係するのは⑤であり、仕組みとしてはどうしても発生する入力のタイムラグについては、あたかも事業主と保険者の責任にされることはないようにしてほしいところである。
2.本部委員会報告
(1)保険者機能推進委員会
12月8日に開催。議題は次の2点。
①2023年度健康開発共同事業計画案、予算案の審議
②2023年度特定健診・特定保健指導の支払基金決済代行手数料への対応
①については、2024年度から開始される第3期データヘルス計画および第4期特定健診・特定保健指導の円滑な実施に向けた対応に事業の重点を置き、予算は前年度と同額とする。
②については、2022年度と同額の183円で支払基金と協議していたが、支払基金から2021年度決算で約4700万円の剰余金が生じるとの報告があった。この報告を踏まえ、協会けんぽと調整し、剰余金の取り扱いについて支払基金と協議した結果、当初の183円から29円減の154円で決着した。
3.大阪連合会活動
(1)委員会報告
12月13日に広報委員会を開催。かけはし1月号の編集概要について報告があった。
(2)報告事項等
川隅専務理事から、次の3点について報告があった。
①1月23日、2023年度の予算編成について、オンライン生配信による説明会が開催される。
②1月24日から、組合業務別実務講習会「監査の要点」として、近畿厚生局保険課の担当官による、監査時における注意点、指摘事項等、予算書の提出についての内容を説明した動画を配信する。
③大阪連合会の2023年度事業計画・予算案については、まず各委員会にて検討いただいた内容を予算編成会議でまとめ、理事会で諮り、予算総会で承認を得るという流れになる。